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テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:中国・香港映画、その他の映画
原題: 唐山大地震/AFTERSHOCK 監督: フォン・シャオガン 出演: シュイ・ファン 、チャン・チンチュー 、チャン・ツィフォン 、リー・チェン、 チャン・ジアージュン 試写会場 : 九段会館 公式サイトはこちら。 トーキョー女子映画部さんから試写いただきました。 ありがとうございます。 これほんといっぱい試写会やってますよねー。 この試写でも、感想書いて出すと別日程の試写状がいただけるという大盤振る舞い! いいのかなーそんなに試写連発して(笑) タイトルの通り、1976年に起こった唐山大地震がテーマです。 死者24万人とあり、そこには様々な物語も生まれ、この映画も恐らくですがいろいろなエピソードを元にしているように思います。 瓦礫の下に埋まってしまった2人の子どものうち、どちらかしか助けられない、 両方は選ぶことはできず、どちらかを選んだその後の運命は・・・ というのがこの話の根本です。 選ばれた弟と、その母。 選ばれなかった姉と、その養父母。 複雑な関係が生じてきます。 選ばれた代わりとして、弟は救出の時に片手を失って、 選ばれなかった代わりとして、姉は明晰な頭脳を授かるというのも、 何かを得る代わりに何かを失う、ということの巡り合わせのような気もします。 「失ったものは、失ってみて初めてその大きさがわかる」 姉弟の母が口癖のようにつぶやく言葉です。 どちらも失いたくないのは親としては当然のこと、しかしながらそうせざるを得なかったのもまた運命であり、 時代が移り変わるごとに、その境遇を繰り返すというエピソードも皮肉ではありました。 大地震ということでたくさんの犠牲が出て、ステップ・ファミリーというものの難しさも 感じる場面がありました。 ファン・ドンの義母は、子ができなかった自分たちに養女ができたということで 大変喜びますが、 ファン・ドンが成長していくに連れ、義母は彼女を正面から認めてやることが できなくなってしまう。 養女に来た当時、何かとファン・ドンに構いすぎて自分が優位を保とうとする姿勢があった義母が、 成長して自分の手の届かない世界に行こうとしている彼女の足を引っ張るような発言を繰り返している。 初めは喜んでいたのも、いきなり母になってしまったがあまりに、ファン・ドンを「所有する」感覚が先立ってしまい、 ファン・ドンの主張がしっかりしてきた思春期ごろからは、 足枷をしようとすることで彼女を自分のものにしておきたい、あるいは、 美しくなっていくファン・ドンに嫉妬の感情とも取れる発言をしている。 人の心を、初心に保つことは本当に難しいと、こういうエピソードでも感じます。 印象としては、2時間15分というのが少々長く感じました。 というのも、振り返ってみるとかなりのエピソードを入れているから。 母と娘、息子との関係。 生き別れた娘の、その後の人生。 地震で引き裂かれた家族たちの様子。 1970年以降の中国情勢の移り変わり。 結構盛りだくさんで、どれが中心? と聞かれても、どれも中心みたいな気もしてしまいました。 そしてこれが中国国内で評判がいいというのもわかるような気がするのは、 地震からの復興を描いていることに加え、中国の国威発揚っぽいシーンも存在していたからです。 それがもしかしたら主体かもしれない? とも思えるんですよね。 何かに似ているなーとよく考えたら、『オーストラリア』でした。 これもどっちかというとオーストラリア好きさん向けの映画でしたし。 「23秒、32年」というコピーにもあるように、 地震で崩壊した多くの人生が、その後必死に立て直されていく様子は、 観ている方も、特に中国の方なら、力をもらうことだと思います。 その過程にどれほど切ない想いがあったとしても、生きることができた事実を目の前にして、 その後の人生も生きていかないといけない。 直視しないといけなかった現実があったということです。 今日の評価 : ★★☆ 2.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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