カレー

僕もですね、けっこう貧しい生活をしてるんじゃないかと
日々思っていましたよ。そう、彼の話を聞くまでは。


彼の名前は、若林くんといって社会人３年目にして
１支店を任されるくらいの期待の新人なんですが。

まず、彼の家はライフラインが止まってますね。
特に大地震が起きた後とかそういうのじゃなくて。
普通に全部止められてます。

「電気の消し忘れとか、ガスの元栓締め忘れたかも？？
　とか心配しなくて済むんで精神的には楽ですね」

「僕ってすごくエコロジーだと思うんですよ。」


そして、彼のスーツの裾にはなぜかホッチキスの針がついていまして。
「なんでホッチキスついてんの？」

「あ、これ裾上げです。裾上げしてもらうとお金かかるじゃないですか。
　でも、あれって自分で簡単にできるんですよ」


さらに驚くのが
彼女とのデートコースです。
「デパ地下試食」→「ＢＯＯＫＯＦＦで立ち読み」
もしくは
「釣り」→「魚食う」
これが、「たまに」じゃなくて毎回です。
娯楽と食事がタダで楽しめるという
おすすめデートプラン。

なんかこんな話聞くとお金って無くても
いいのかなーなんて思うわけです。