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カテゴリ:古谷 剛彦
金曜日は、古谷が担当します。
今週、とても信じられない連絡が…。トウケイニセイの生産者として知られる田中哲実さんが13日、大動脈解離で亡くなられたとのこと。その前週の木曜、門別競馬場で普段の記者席の感じで、「早い者勝ちなー」といつものように差し入れを持ってきてくれて、翌日に千葉セリがある関係で僕は先に記者席を後にすると、「また来週!」と挨拶した哲実さん。それが最後の会話になってしまうとは、今でも信じられません。 この写真は、1月の冬季繁殖馬セールが終わった後、静内の居酒屋で馬産地のメディアが集まった新年会。「ホッカイドウ競馬のメディアが、打ち上げをしないってのが不思議に思うから、今年はやろうよ」と昨年、哲実さんがお話してくれたことがきっかけで、その年のうちというよりは、繁殖馬セールで静内に集まると思うので、そこでやりましょうとなった宴でした。「また近々!」と哲実さんから言われたのに…。残念でなりません。 この写真は2年前、「懐かしい写真が出てきました」とメールで頂いたものです。2009年サマーセールの時のワンショット。この年は、セレクションセールで売却率が50%台、サマーセールは40%弱という厳しい時代でした。その中で、須田鷹雄さんと何を話していたかは覚えていませんが、何人かで談笑している時に哲実さんがパシャっと撮っていたものだと思います。 ただ良い写真だったから…というだけの理由だけではなく、そのメールには「この時から10年以上経過しているのに、メディアの顔ぶれが全然変わっていない業界を危惧する」と付け加えられていました。 馬産地で仕事をしているライターは、僕より下がほぼいない状況です。カメラマンでも、数人しかいません。牧場に至っても人材不足が何年も言われています。競走馬の市場や馬券の売上は右肩上がりであっても、働く環境に対しての不安や課題が改善されている訳ではありません。 哲実さんは、セレクトセールに上場を申し込む青森の牧場へ出向き、写真撮影も行ったばかり。今週も、夏に日高育成牧場で行われる「シンザンフェスティバル」の会議を控えていました。68歳でもバリバリ働いていた哲実さんには、改めて凄さと尊敬の念を抱きます。 ブリーズアップセールに向けた、日高育成牧場での展示会では毎年、調教供覧の時に談笑していました。今年は雨で、例年より人も少なかったんですが、その翌日にアップしたスポーツ報知のコラムを見て頂いた上で 「あの雨の中、正直そのカメラでよく撮れていたなぁと感心したよ」 と、門別競馬場で会った時に哲実さんから言われた時は、本当に嬉しい思いでした。まだ活力ある中で旅立たれたことは、哲実さんにとって志半ばだったと思います。まだ、色々とお聞きしたいこともたくさんありました。今まで本当にお世話になりました。ただただ、感謝です。御冥福をお祈り申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月19日 12時57分20秒
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