2020シーズン岩手競馬の開催日程など
木曜担当のよこてんです。すいません曜日勘違いしてました・・・。今回は先日発表された2020シーズンの岩手競馬開催日程等についてのお話。■日月火開催が大幅増 まず開催日程では、「日月火」の開催が大幅に増えた事に気づかれたと思います。昨季は、5月から6月にかけての3開催半・7週と12月に2週の計9週、年末年始の変則日程の面もあった1月最終開催週も含めれば10週だったのが、今季は4月の開幕から7月いっぱいの8開催半・17週と11月からの冬の水沢開催1開催半の3週の、計20週と倍増しました。 昨季から本格的に取り入れられた「日月火」開催ですが、どうしても売上が伸びない土曜日を外して火曜日に移行する意図があったのは昨年も書いたとおりで、実際に昨季でいえば、日月火になった昨年と土日月の一昨年との同時期の売上比較ではおおむね昨年>一昨年、つまり火曜日>土曜日の構図が見えていました。今季はそれをより大幅に取り入れようということです。 ただ、岩手競馬的には“土曜日よりは火曜日のほうが良かった”ですが“火曜日の開催場の売上比較の中では岩手が下位”という事も多かったように思います。その辺は購買習慣というか定着具合で変わってくる部分かもしれませんが。 また、最近はIPAT以外の発売業者、特にSPAT4の発売額が伸びてきているようにも見えます。もしかすると、の想像の部分ですが、「SPAT4の競合が多い火曜日」よりは「SPAT4の強豪が少ない土曜日」の方が伸びる余地がより大きいのかもしれません。 このあたりは今季が順調に進んでいって昨季との比較ができる部分が増えていくことで見えてくると思います。■芝コースの張替え作業に伴う一部レース休止 重賞日程を眺めて気がつくのは1回・2回盛岡開催の芝準重賞が無くなっている事です。 昨年は1回盛岡に3歳芝のはまなす賞、2回盛岡には3歳芝のサファイア賞と古馬・芝のかきつばた賞が設定されていましたが、今季はそこがすっぽりと消えていて、シーズン最初の芝重賞は7月12日に行われるオパールカップになっています。 これは、7月までの期間を使って盛岡芝コースの貼り替え工事が行なわれる事によるものです。規模がどれくらいになるかはまだはっきりとした情報を耳にしておりませんが、7月の3回盛岡開催以降もしばらくの間は「芝の保護のため芝レースは1日1レースを原則とする」という事になるようですので、それなりに大規模になるのかなと想像しています。 自分の個人的な考えとしては、丸々1年位芝レースを休止してもいいから全面的な改修工事を行ったほうがいい。それくらい現在の盛岡の芝コースの状態は悪いと思っています。 ダートコースではコース全体の砂を取り除き、土台になる地盤の部分の修正を行ったうえで新しい砂を入れるという工事を定期的に行ってきました。ただ、ダートコースの場合は天候に恵まれさえすればコースが使えないのは長くても4,5日で済むのに対し、芝コースは張り替えた芝の定着に時間がかかるため長期間レースができなくなる・・・ということもあってこれまでの調整や改修・補修は部分的なものに留まってきました。 しかし、そうすると結果的に、補修で手を入れた部分とそのままの部分とでコースの仕上がり具合に差が出るとか、芝の定着具合の違いのために補修した部分が先に傷んでしまうとか、狙い通りにならない部分も多くあったと聞きます。 逐次改修ではなかなかうまく行かなかったわけで、大掛かりに補修することでより良い状態の芝コースになればいいと思いますね。ただ、繰り返しますが「どれだけの規模か」は不明です。 なお、これに伴ってオパールカップやせきれい賞には直接のトライアルになる準重賞が設定されない事にもなりました。 特にオパールカップは芝使用再開直後になるので地元馬にとっても芝適性の計りづらさが増すのかなと思われます。■3歳重賞の変更と路線整理 ダービーシリーズの対象レースが変わったりダービーグランプリが10月1週目に移動したりと昨年も結構な変化があった3歳重賞路線ですが今季も手が入ります。 ダービーシリーズ対象が東北優駿なのは昨年に引き続きですが、8月に移動していたダイヤモンドカップが5月のGWに移動しました。 ダイヤモンドカップは本来は5月の連休前後にあって三県交流時代の東北優駿(東北ダービー)や夏に行われていた頃の不来方賞のトライアルという位置づけのレースでしたので、ある意味約20年ぶりに元の役目に戻ったと言えますね。 10月には3歳牝馬限定の『OROオータムティアラ』が新設されました。レース名が先にネット上に流出して“交流重賞の新設か?”と盛り上がりを見せたりしましたが、残念(?)ながら地元限定です。このOROオータムティアラが距離2000m、3歳牝馬の総決算的な役目を負うことになったのでひまわり賞が2000mから1800mに短縮されています。 このOROオータムティアラが、どういう結果を及ぼしてくれるか?が注目ですね。自分はちょっと懐疑的です。“ダービーグランプリで全国級の牡馬とぶつかるのはしんどい”牝馬がここを目標にするのでしょうけど、昨年なども3歳牝馬路線はエムワンピーコがいなければ成り立たなかっただろうと思われるくらい層が薄かったですし、それ以前も強い牝馬がいたにせよマイルくらいまでの距離でなら、という馬が多かったですよね。 そしてそういう馬は距離を考慮して直後のイーハトーブマイルに向かいたいでしょう。結局OROオータムティアラに出る馬ってどれだけいるのかな?と想像せざるを得ないと思うんですよね。南関3歳牝馬路線で走っていた馬が岩手に移籍して来て・・・という事になるのかな。 中長距離で強い3歳牝馬ってなかなか出てこない。秋頃には距離適性もはっきりしている事が多いですし。逆にいっそ1200mとか1400mとかの短距離の方が盛り上がるのでは・・・?■南部杯とダービーグランプリの賞金増額 これも気づかれた方が多いでしょう。南部杯の1着賞金が4500万円から5000万円に、ダービーグランプリは1000万円から1500万円に増額されています。 南部杯の1着賞金は1995年の全国交流化時に5000万円になり、その1997年のG1格付け2年後に6000万円になっていました。その後2008年から5000万円、2010年から4500万円に減額されていましたので、2009年以来の5000万円となります。今年は平日開催になっている南部杯ですのでこの1着賞金増額が少しでも盛り上がりに寄与してくれればと願っております。 ダービーグランプリの増額も同様ですね。復活した2010年頃なら1着賞金800万円でも全国的には高額といえたのですが、近年は他地区でも重賞1着賞金の増額が続き、3歳の総決算というにはちょっと物足りない額になってきていました。欲を言えば2000万円くらいになれば・・・と思いますが、まずは第一歩ということで。 賞金の話になったので付け加えておきますと、各競走の賞金額がこれまでの155方式(1着賞金を100%とすると2着~5着の賞金額合計が1着賞金の55%)から160方式(1着賞金に対する2着~5着賞金額合計が1着賞金の60%)になりました。 着ごとの増額はそれほど大きくないですけども、シーズンを通して馬を稼働させる事を考えれば結構効いてくる増額のはずです。ここもまたより良い馬を多く集めていくことに寄与してくれればと思っています。