トランプと市場社会(1)
アメリカのトランプ大統領って、たしかに大統領としての品位を欠いた表現の仕方で、しばしば物議を醸しだすので、無駄に批判されている危なっかしい男ではありますね。但し、それでも、アメリカの現状の中核をアメリカ国民にはもちろん、外国人にも本音の部分で晒したという意義はあります(いや、実はアメリカだけの問題ではないのですが)。世界の中で、「資本主義の本店」のような位置づけだと思われていたアメリカが、これまでの市場原理主義的な方向から向きを変えようとしているのは間違いありませんね(でも任期まで持つかどうかは今のところわからない)。日本においては、小泉内閣以降、アメリカの外圧に屈して市場原理主義の要素がかなり社会に溶け込んでしまったのも、また事実です。これはバブル崩壊後長く低迷していた日本にとって、閉塞感を打ち破る処方箋なんだと信じ込まされたという部分もありましたが(これが「構造改革」なんだという言葉に置き換えて)、もう一つ、日本人には国家に対するアレルギー反応を示す人は多いが、資本主義に対するアレルギーを示す人はそれほどでもないという問題があるように思います。国民の生命、身体、財産、自由を、国家に委ねるくらいなら、資本に委ねた方がまし、という20世紀的な思想が、未だに日本では根強く残っているのかもしれません。・・・(続く)<今夜の一曲:ステッペンウルフの「Born To Be Wild」>アメリカの南部って怖いんだと思わせた『イージーライダー』。しかし、あの頃とはヒスパニック系の人口分布が全然違う!