トランプと市場社会(2)
いや~、トランプ大統領は、日本の経済にとっては、怖い相手となりえますが(残念ながらいつでもそうだが)、世界経済の流れから言うと、必ずしも怖いとは言えない人物ではないかと思えることがあるんですよね~。報道によると、トランプ米大統領は中国への高関税措置をすべての輸入品に広げる可能性に具体的に触れ、貿易協議を進める日本には露骨に「脅し」の発言を重ねたそうですね。発言通りになれば、中国からの全輸入品に高関税がかかり、また、日本については肉などの関税引き下げや輸入拡大を迫るとみられているようです。さて、これらを単純に保護貿易主義というだけなら、今までにもアメリカにおけるジャパンバッシングなど、何度も経験してきたことになります。しかし、トランプって、アメリカの国境自体を高くして市場原理主義を変えようとしているところが、ちょっとこれまでのアメリカの大統領とは違うと思うんですよ(移民国家なのに。そして、自分の妻も移民なのに!)。市場原理主義って、テクニカル・タームを記号にしてしまえば、共産主義と相似形ないしは、表裏一体のようなもんですよ。アメリカや中国のような多民族人造国家が、市場原理主義ないしは帝国主義から方向転換すれば、日本にとっても世界にとっても、多少恐怖が減少するんじゃないでしょうか。<今夜の一曲:ジョン・レノンの「Imagine」>共産主義者が泣いて喜ぶユートピア思想が無邪気に(そして残酷に)散りばめられている名曲だが、恐らく市場原理主義者にも相通じるものがあるはず。音楽的には、ほんわかしそうでいいんだけどね。