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酷くうなされて、弾かれる様に目を覚ました。
一瞬、自分がどこにいるか分からなかった。 夢から覚めても、この部屋に彼女の姿はなかった。 現実と理解するまでに時間がかかった。 最悪な目覚めだ。 まだ悪い夢を見てるみたいだ。 すべてが信じられなかった。 どうしても受け入れられなかった。 いくら待っても彼女は帰ってこない。 連絡も取れない。 俺はアルバムを何時間も見ていた。 飽きもせず、一日中。 アルバムの中の二人を見れば見る程、信じられない。 こんな結末。 そのアルバムには思い出がたくさん詰まっていて、どの写真をとってみても、その当時のエピソードを何時間でも語れる。 結婚後の住む場所や、子供の名前まで一緒に考えていたのに。 本当に、悪い夢としか思えなかった。 そして、日が暮れかけた頃、公衆電話から着信があった。 最後の待ち合わせを決める電話だ。 その後、公園で話をし、誰の元に行くともわからない彼女を駅のホームで見送った。 そして、俺は荷物をまとめ思い出の詰まったこの街を出た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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