廃屋
ふと金八先生を思い出した。廃屋 茨木のり子 人が 棲まなくなると家は たちまちに蚕食される何者かの手によって待ってました! とばかりにつるばらは伸び放題樹々はふてくされていやらしく繁茂ふしぎなことに柱さえ はや投げの表情だ頑丈そうにみえた木戸 ひきちぎられあっというまに草ぼうぼう 温気にむれ魑魅魍魎をひきつれて何者かの手荒く占拠する気配戸さえなく吹きさらしの囲炉裏の在りかのみ それと知られる山中の廃居ゆくりなく ゆきあたり 寒気だつ波の底にかつての関所跡を見てしまったときのように人が家に 棲むそれは絶えず何者かと果敢に闘っていることかもしれぬこころのメンテナンスこころが朽ちてしまわぬように今日はとってもよく冷えています^^