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カテゴリ:家族と愛情
さて、そんな出来事のあとに控えていたのは、長~く緩やかな上り坂。 しばらくは順調に歩を進めていたのですが、だんだんと脚が重たくなってきました。 どうも、KIMOCHI∞KARADAの~ballance~が・・・。
少し息を弾ませながら歩いていると、後方から軽快な足音が近づいてきました。 私がふりむく間もなく抜き去られたその足音の主は、ランニングに短パン姿でキャップを被った 首から上は、ど~若く見ても60代後半以上と思える後姿を持つご参加者。 「あのおっちゃん、細マッチョやなぁ~腕や脚の筋肉凄ぉっ」 「ホントだ、スゴイね~」
恐らく日頃からジョギングなどで鍛えられているのでしょう。 細身ながらも、筋肉が隆々としていました。 (あぁ、ワシも老いるまで鍛えとったら、あんな身体になれるんかなぁ・・・) 羨望の眼差しで、遠ざかっていく細マッチョおじいさんの後姿を見送りました。
第二チェックポイントでは昼食をとる予定でしたが 川沿いの遊歩道を歩き、もうすぐ第二チェックポイントに辿り着けるというところで この第二ステージ最大の急勾配の上り坂が待っていました。
(くぅ~、この坂マジですかぁ) 「頑張って~、上には冷えたビールもありますよぉ~」と、沿道からの声。 (なぬっ、ひ・冷えビール) 声の主の方を見ると『冷えたビールあります』の看板が目に飛び込みました。 (なんという営業戦略) 「よっしゃ、chi-、yu-もう一息で昼食タイムや、がんばれ」
急にテンションが上がって、やる気が出たのは きっとshi-が朝早起きをして作ってくれた、お弁当が思い浮かんだからです (→×) 心臓破りの急な上り坂を登り切ると、そこは第二チェックポイント。 ついでに売店も探します(ひ・冷えたビールはどこや)。
ちょうど良い木製のベンチを見つけると、ようやくshi-のお弁当にありつけました。 「プシュッ(の包みをほどく音です)ぷっは~生き返る」 子供たちも、いつもはあまり見ることのない勢いでおにぎりを頬張りました。 「美味しいね~」 「『大したものは作っていないよ』と、お母さんは言っていたけれど、やっぱ美味しいね」 家でお留守番のshi-が早起きして作ってくれたおにぎり弁当は、この時の私たちにとっては、いつもより一層(もちろん、冷えたビールよりも)美味しく感じました 昼食後早々に片付けると、私達は傍らを通り過ぎていった参加者の方々の後を追いました。
お弁当を食べて体力も気力も復活した私達は、ゴールまでの最後のターン、繰り返されるアップダウンのコースと奮闘しながらも歩き続けることが出来ました。 「それにしても、坂道ばかりだなぁ・・・」 「お父さん、大丈夫」 「大丈夫、大丈夫(ホンマは足がめっちゃ痛なってきたわぁ)」 「もう少しでしょ、頑張ろう。」 「お父さん、タクシー来てもらった方がいいんじゃない」 「歩いて来せっかくここまでたのに、今さらタクシーなんぞ使えるかいっ、テクシー(テクテク歩くの意)で十分じゃ」
ゴールがもうすぐというところの最後の上り坂にさしかかったとき、目指す坂の頂きへと続く歩道には陽炎がゆらゆらと浮かんでいました。 (ああ、チュニジア砂漠で砂丘の稜線にも、こんな陽炎が見えたのかなぁ・・・) 「ゴールはもうすぐだ、頑張れ」 足のスネと、お尻の上の方の筋肉が一歩足を地面に着くたびに悲鳴を上げましたが、もうそんなことはお構い無しです。 (24hチャリティーTV番組の100kmとか120kmマラソンを走るタレントさん達は、超人やと思いました)
最後の坂を下り終えると、あとはゴールまで平坦な直線数百メートルの一本道。 自分が車で通り過ぎる時のことを思うと、ものの数十秒で通過してしまう直線ですが、自分の脚で歩いてみると遥か彼方に続く直線のように感じました。 目指すゴールの横断幕が見えてきました。 子供たちはわれ先に小走りになっていました。 「こらっ、走ったら危ないぞ、歩け」 そんな私の言葉は耳に入らない子供たちがゴールイン。 そんな子供たちの背中を追いながら、私も遅れてゴールイン。 子供たちも、私も、なんともいえない達成感に顔がほころびました。 「やったな、疲れたろ」 「全然疲れてない」 「前に歩いたコースの方がキツかった」 子供たちの強がりさえも、清々しく感じました。 言葉とは裏腹に、誰も脱落せずに3人で歩ききったことに満足しているのは、皆の表情を見れば一目瞭然でした。
しかしゴールしてしまうと、体力はもうほとんど無くなっているはずなのに、何だか「終わってしまった~」という寂しさも込み上げ、結局ゴールポイントから自宅までの道のりを歩いて帰ることにしました。 「歩けるか」 「歩ける」「歩ける」 「お母さんが待っているから、急いで帰ろう。」 追加のコースでは、一番速く歩いていたのはchi-でした。 「あいつ、あんな細っそい身体やのに体力あるやん」 「お父さん、yu-、お母さん待ってるよ、早く帰ろう」 少し前を歩いているchi-は、振り返って私たちにそう呼びかけました。
ただ自宅に着く100メートルくらい手前で姿をくらましたyu-が、先回りをして自宅の玄関で息を切らしながら 「遅かったじゃん」と言ったことは、ご想像の通りです。
結局、この日は歩いて歩いて、約15Kmを4時間くらいかけて歩きました。 きっと生涯忘れられない家族の思い出になるでしょう。
追伸・・・1日だけではダイエット効果はありませんね(めっちゃ期待してたのに~)。
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