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2006.12.17
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カテゴリ:日記
≪靖國神社棚上げはダメだ≫
~歴史認識の違いは中庸の境目か!?~

 ★自分の国は自分で守れ!!(1)からの続き。見てない方は(1)からどうぞ。


 小林よしのり氏が語る戦争論──編集長インタビュー <2>
「日本の戦争は、国民が騙されてやったわけじゃない」

koba&tori2

小林 今の経済発展っていうのも、裏で暴動がどれだけ起こっているか分からない。それをどれだけ武力で鎮圧しているか分からない。結局のところ、こんなものつぶれますよ、はっきりいって。

鳥越 それだけじゃなくてね、13億人が経済発展するっていうことは、おそらく世界中の石油のガブ飲みするってことですよ。

小林 もちろんそうですよ。それも環境破壊がすさまじいって状況でね。もちろん、そのことも大問題なんだけど、そういうルール感覚っていうのは歴史の連続性があってできるんですからね。日本は歴史の連続性がずっとあるから、ルール感覚ができあがっているわけですよ。けど、歴史の連続性が何回も寸断されてしまうと、ルール感覚ができあがらないから。そうなると、北京オリンピックのあとくらいに経済政策破たんしてね、台湾の財産を取らなくてはならないと。とてつもない財産があそこにあると。


 2008年の北京オリンピックまでじゃなくて、2010年の上海万博まではアメリカも支那を稼がすだけ稼がすだろうと思う。そして今現状日本全体の経常収支を見てみると「貿易収支」より「投資収支」の利益の方が大きくなってる。

 これはどうゆう事かと言えば、今までは日本はあらゆる製品の輸出入の差益で儲けていた「貿易大国」だった。それが今は企業買収や投資によって得られる金利・配当によって儲けている「投資大国」になっている。日本国内の企業に対して行う投資よりも、支那の13億人という莫大な人口の将来的なマーケットだけを盲目的に夢を見て、湯水のように投資している。

 あらゆるマスコミの支那市場賛美の宣伝効果の責任もあるけど、これは恐らく上海万博まで続いて、それから支那のバブルは弾けて不良債権が残り日本企業が損害を蒙る。損益を蒙った日系進出企業はスズメの涙ほどの不動産などの売却益しか手元に残る事はなく、その損害は国内に返って来る。

 もうすでに上海の一部では借り手のつかないビルや、工業地帯では使われない廃工場などが出てきているようだ。

 そういえばアメリカのバーナンキはじめ、ポールソン財務長官ら経済閣僚が団体で支那へ行ってたね。人民元の切り上げ要請?貿易赤字の是正?何を話しに言ったのか。報道に流れている表向きの話は建前だけだろう。

 さて支那投資の果て、バブルが弾けて誰が得するのか。見ものでもある。

≪日中関係について≫

小林 今このまま黙ってたら、経済制裁の締め付けがあるから、どうしようもない状況になってる。軍部におみやげも何もやれない。だから、核実験ってなるわけでしょ。核実験やらなかったら崩壊するんだから。崩壊が嫌だから核実験やるんでしょ。だったら、次はミサイルをぶち込もうっていうのだって、自分のところが崩壊してもいいと思わない限り、金正日が自分は亡命してもいいと思わない限り、それはやるかもしれないですよ。だから、やるってことも可能性としては考えておかないと。パーセントとしては低いけど、考えておかないといけない。

 中国はもっと分からない。もっと恐ろしいと思う。いざっていうときに、何をやらかすかっていうのは。そのときのために、最低限ね、わしは靖国参拝止めても、一応棚上げしてもいいと言ったことがありましたよ。そしたら右翼の新聞みたいのから、たたかれたってこともありましたけど。

鳥越 それは、どういうつもりで言ったの?

小林 条件があると。つまり、条件は反日教育を止めろと。反日教育を止めて、ちゃんと交流しようと。いきなり共産党体制を民主主義体制にしろとも言わない。あれだけの民を治めていくためには、ある程度の強圧的な制度も必要だろうから、それもいいと。ただ、反日教育を止めろと。反日ってものを、国民国家を作るときの核にするのを止めろと。それで、こういうことを、わしが中国人の学者と話したときに……。

鳥越 今はもう止めてるんじゃないですか?

小林 いや、やってますよ。ぜんぜん止めてないですよ。ものすごい反日の映画も作ってるし。日本のアニメとかを排除して、反日アニメを今からやるって言ってるし。止めないでしょ。


 ある程度強圧的な制度も必要なのは色々情報を聞けば大体わかる。もっと賢い政治家が支那にいれば良いがそれを支那に求めるのは無理ではないのか。彼らは昔から誰しも中原の覇者を目指す、基本的に覇権主義、中華思想の国であり、そんな中、靖國参拝を止めたところで支那は考え改めないことは小林氏はもちろん知っててワザと言っているのだろう。

 中共はああいった政治手法を使用しないと支那全土をまとめきれないのを分かってやってる。だからと言って、チベットやウイグル、東トルキスタン、将来的には台湾などの侵略を許すわけにはいかないだろう。

 だから靖國参拝をカードに使ってどうのこうのと外交ゲームする口実と時間稼ぎ、マスコミ情報支配を支那に許してはならない。

≪戦争論・歴史認識の違い≫

鳥越 元に戻るけど、現実にはありえなかったっていう話なんだけど、今後のことも考えると、やっぱり本当は明治維新のときにね、欧米の植民地ぶん取り合戦の中に日本は参入していったわけだよね。それで、満州とか東南アジアの国を資源獲得のために、特に満州だよね、満州を建国したと。これは明らかに侵略行為。よその国に行ってとってるわけですから。イラクにアメリカが行ったのと、基本的には同じですよね。

小林 まあ、そこは厳密に言うといろいろあるんですよ。満州建国からいけないといったらね、日露戦争からいけないってことになるんですよ。そもそも満鉄があるからなんだから。満鉄があって、そこに居留民を置くからなんですもん。要するに、今のイラクみたいなもんですよ。そこでテロがどんどん起こるわけですから。じゃあ、そこに満鉄もいけないってことになりますよ。そうしたら日露戦争がいけないってことになりますよ。それじゃ日露戦争を戦ってなかったら、どうなるだってことになるわけですよ。ロシアはどんどん南下しちゃいますよ。歴史っていうのは全部連続してるんですよ。だから、満州建国からいけないとか、張作霖爆殺からいけないとかいえないんですよ。じゃあ、あのとき満鉄を置くなってことになっちょうんですよ。

鳥越 いや、だからね、現実にはありえなかった話なんでね。そんなことはありえないと言われれば、それまでの話なんだけど、やっぱりよその国に軍隊をもって出かけてね、その国を占領するという行為をやった時点から原子爆弾が落ちる日までね、歴史の連続があったと思うわけ。現実にありえなかったんだけど、国内の民主主義を進めて、市場を大きくして、要するに貧富の格差を少なくして、国内の消費マーケットを大きくして、国内の資本資本蓄積を大きくすることによって、もちろん貿易はちゃんとやりますけれど、他国に土足で踏み込んで資源をとってくるということは欧米はやってもウチはやらんという考え方は、“考え方”としてはあったと思うんだよね。でも、実際にはできなかった。

小林 と言うかね、そういう国際法感覚っていうのは、現代の人間だから思えるんですよ。その当時に日本がそんなことを考えられたか、そこまでの余裕があったか。それこそ帝国主義である大国よりも、すでに先んじている大国よりも、もっと余裕のある国民じゃないといけないですよ。

鳥越 僕は、なぜそんなことを言うかというとね、今後の問題を考えるときにも、これは1つの教訓として出てくるんだろうと。歴史の、これはありえない話なんだけれど、本当はこうした方がよかったんじゃないかという考え方を持つことは、今後のことを考えるときに参考になるという意味で言ってる。

小林 うん、なるほど。今の国際法のルール感覚みたいなものでいけば、こういう感覚を当時の日本人がみんな持っていればね、当時そういうふうに考えることもできたでしょう。でも、そのときの日本人の感覚では、ひたひたと欧米諸国はどんどん戦争か何かで押し寄せてきているっていう切迫感しかなかったとわしは思うから、出て行くしかないっていう思いしか日本人にはなかった。


koba3

 歴史認識でやはり違いが出てくる。ココが右か左か分かれる境目のようだ、この二人に関して言えば。小林氏は従来から言っているように「現在の価値観で当時の状況を見るのは正しい歴史の捉え方では無い」、かたや鳥越氏は「当時の日本はそういった別の方法を考えられなかった、思いつかなかったから愚かであった」と言っている。

 私から言えば当時の人々に現代の我々の価値観や尺度によってこうするべきだったと言うのはあくまでも結果論に過ぎず、大東亜戦争に突入するまでの日本の経緯を鑑みれば自ずと小林氏の言うような行動を日本は取らざるをえなかったのではないかと思うわけである。そこで「やむを得なかった」と思うか「愚かであった」と思うかで靖国神社や英霊の皆様に対する認識、東京裁判、A級戦犯、などの認識のズレが途端に浮き彫りになってくるのだろう。

 歴史から我々が学ぶのは「あの時こうすればもっと良かったかもしれない」という選択の幅を学ぶ事であり、過去に起こったことに対して「こうしないからダメだったんだ!」と断定的に糾弾する事では歴史から学ぶ事にはならず、それは自ら選択の幅を狭めてしまう誤った自虐史観の一つと言えるのではないだろうか。


(かなり長いので更に(3)へ続きます。)

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最終更新日  2006.12.17 14:49:03
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