|
テーマ:お勧めの本(7396)
カテゴリ:カテゴリ未分類
あらすじ 白竜、緑竜、黒竜の三頭を従え、デナーリスは、ミーリーンで女王として君臨していた。だが、その前途に暗雲がたちこめる。都の中では内乱をもくらむやからが殺戮を繰り返し、外では敵対勢力が都を包囲せんと軍を進めていた。さらに、竜たちはどんどん巨大化し、残虐さを増して、デナーリスでさえ抑えきれなくなったのだ。 そのころ、父タイウィン公を殺害したティリオンは、密告者の長ヴァリスの手によってキングスライディングを脱出、〈狭い海)をわたりペントスのマジスター・イリリオのもとに身をよせていた。イリリオから。女王デナーリスが軍を率いて七大国へ帰還するときの軍師になるよう求められたティリオンは、勇躍ミーリーンへと旅立った。 だが、ドーンのプリンス、クエンティンもまた、父である大公の密命を受け、三頭の竜とデナーリスを七大国に帰還させるべく、女王の都に向かっていた----。 四度目のローカス賞に輝く現代最高の異世界戦史、待望の最新刊。3ヶ月連続刊行! 時系列に関する注釈 わかっている。前作以来、ずいぶん時間があいてしまった。今回は本書の位置づけを説明しておく必要があるだろう。 お手元にあるこの本は、(氷と炎の歌)シリーズの第五部である。第四部のタイトルは『乱鴉の饗宴』だった。ただしこの第五部は、伝統的な意味での第四部に対する続巻ではない。第四部と平行して物語が進む。『舞踏』でも『饗宴』でも、語られるのは第三部『剣嵐の大地』の直後の出来事だ。『乱鴉』が王都キングスランディング内外、鉄諸島、南のドーンでの出来事に焦点をあたてのに対して、『舞踏』では北の黒の城と(壁)(およびその向こう)、〈狭い海〉のかなたのペントスと〈奴隷商人湾〉が舞台となり、ティリオン・ラニスター、ジョン・スノウ、デナーリス・ターガリエンほか、前作では登場の機会がなかったキャラクターたちの物語が語られていく。『舞踏』と『饗宴』は連続の関係ではなく、平行の関係にあり・・・時系列的にではなく、地域的に分割されているわけである。 ただしそれは、物語のある時点までのこと。 『竜との舞踏』は『乱鴉の饗宴』よりもページ数が多く、より長い期間を扱っている。本書の後半に差し掛かると、折に触れて『乱鴉の饗宴』のキャラクターたちが顔を出すことに気づくだろう。それはまさしく、あなたが今思ったとおりの展開を意味している。物語は『饗宴』で描かれた期間を超えてさらに続き、ここにおいて、分断されていた流れは、またひとつに合流するのだ。 続巻のタイトルは『冬の狂風』。そこではふたたび、だれもが身を寄せ合い、恐怖にわななくというふうに持っていければいいのだが・・・。 2011年4月 ‐‐‐ジョージ・R・R・マーティン---- 解説 ついに待機は終わった。 本書は今アメリカでもっとも熱い注目を浴びている異世界ファンタジーの傑作<氷と炎の歌>シリーズ第五部 A Dance with Dragons(2011)の全訳である。 シリーズ作品の巻末解説でよく「お待たせしました」と書くことがあるのだが、まさに本書の刊行は、前巻である第四部『乱鴉の饗宴』の翻訳から五年という長い待機の末のこと。それもこれも、著者であるジョージ・R・R・マーティンが、シリーズ全体の再構成に苦しんだためなのだが、その成果は存分に生かされている。待ちに待っておられた読者諸兄には、ぜひとも堪能していただきたい。 そんなわけで、前巻とはずいぶんと刊行の間が開いてしまったこともあり、ここでまずはこれまでのシリーズの流れをざっとおさらいしておこう。 ちなみに、まだ本シリーズを未読だという方がいらっしゃったら、急いでページを閉じ、第一部『七王国の玉座』から読み始めることを強くお勧めする。そこには、至福の読書体験が待っているはずだ。 本シリーズの主な舞台は、南北に細長いウェスタロス大陸にある七王国と呼ばれる国だ。かつてこの地は、七つの国家が乱立していたが、物語の始まる3000年ほど前、海の向こうからやってきた強大な一族、ターガリエン家によって統一された。ターガリエン家は自分たちが上陸を果たした地の周辺に直轄領をつくり、かつての七国の領土に、それぞれの王家の末裔や、自らの傍系などを諸公として置いた。これをまとめると次のようになる。 直轄領及び全土 ターガリエン家 旧・北の王国領 スター家 旧・鉄諸島の王国領 グレイジョン家 旧・山と谷の王国領 アリン家 旧・岩の王国領 ラニスター家 旧・嵐の王国領 バラシオン家 旧・河間平地の王国領 タイレル家 旧・ドーン領 マーテル家 しかし、狂王エイリス二世の治世、あまりに暴虐な国王に対する反乱が起き、諸家は連合してターガリエン家を追放、ターガリエン家の傍系であったバラシオン家のロバートを王として迎えた。そして、その十数年後、本作は幕をあけることとなるのだが、この長大な異世界ファンタジーでは、大きく分けて三つの物語が進行していく。 まず(第一の物語)は、七王国の覇権をめぐる諸勢力の戦争である。国王ロバート・バラシオンが狩りの最中、負傷してそのまま死亡。 その跡目を巡って、ロバートの弟たちとが対立。さらに当主を処刑されたことに不満を持ったスターク家、虎視眈々と独立を狙っていたグレイジョイ家が蜂起。<五王の戦い>と呼ばれる内戦状態に突入してしまう。それぞれの王と、それを支持する家を整理してみた。 <鉄の王座>の王 : ジョフリー・バラシオン ラニスター家 <狭い海>の王 : スタニス・バラシオン ハイガーデンの王 : レンリー・バラシオン タイレル家 <北の王> : ロブ・スターク スターク家 鉄諸島と北部の王 : ベイロン・グレイジョイ グレイジョイ家 この戦いにおいて、アリン家とマーテル家は静観の立場を取っていた。ただし、レンリー・バラシオンが真っ先に脱落したのを機に、タイレル家とマーテル家は、ジョフリー擁立側にまわることになる。 この戦いが続くなか、レンリーに続いて、ロブ・スターク、ベイロン・グレイジョイ、さらにはジョフリー・バラシオンまでもが死んでしまい、結果的に七王国の覇権を唱えているのは、ジョフリーに代わって、幼い次男トメンを王位につけ、その摂政となった彼らの母サーセイと、もともとの領地から移動して王国北端に陣取ったスタニスの二強のみとなった。 摂政太后 : サーセイ・ラニスター ラニスター家 タイレル家 マーテル家 VS <壁>の王:スタニス・バラシオン ・・・・かに見えたのだが、 その裏では、アリン家を陰から操る守護代、ピーター・ベイリッシュ公をはじめとして、陰でなにやら画策する勢力は多く、まだまだ闇は晴れそうにないのだった。 次の物語(第二の物語)は、王国の北端で<壁>を守る<冥夜の守人>たちに関するものだ。 彼ら<冥夜の守人>は、大昔に駐留し、その北側に住む”野人”と呼ばれる蛮族や巨人族、さらには<異形>と呼ばれる魔物から、延々と王国を守り続けてきた。 しかし、七王国に長く続いた夏が終わりの兆しを見せたのと時を同じくして、北の大地では、伝説と化していた<異形>たちが再び姿を現し、静かに勢力を広げつつあった。彼らに追い立てられた野人たちは、南へと移動を始め、<壁>を越えて七王国へ侵攻しようとする。 だが<冥夜の守人>は、<壁>の危機を知ってやってきたスタニス・バラシオンの軍勢を借り、野人たちの制圧に成功する。 そして最後に(第三の物語)ウェスタロス大陸の東、<狭い海>の向こうにある広大なエッソス大陸を舞台に、七王国の王位奪還を目指して勢力を広げようと苦戦する「海の彼方の女王」デナーリス・ターガリエンの物語がある。 デナーリスは、今は亡きエイリス二世の末娘であり、ターガリエン王家の正当な後継者だが、反乱によって間一髪死を免れて落ち延びた身であり、財産もなければ自らの軍も持たない。しかし彼女は、嫁ぎ先となった遊牧民を従え、結婚祝いにもらった石化した卵から孵化した幼いドラゴン三頭を自らの権威の象徴として、徐々にその勢力を増していく。が、それは、エッソス大陸における勢力争いを引き起こし、結果的に自らの占領地にとどまって統治することを強いられ、ウェスタロスへの進軍を開始できなくなっってしまう。 と、ここまでが第三部『剣嵐の大地』終了の情勢である。本巻のまえがきで作者のマーティンが書いているとおり、第四部と第五部とは、違う場所で同時期に起こった出来事について語られている。 第四部では第一の物語である七王国内戦の続きが語られていた。そこでは、サーセイが聖職者たちによって摂政の地位から追われた挙句幽閉され、幼いトメン王は新たな摂政が補佐することとなった。その一方、鉄諸島では、亡くなったベイロンの跡目争いの末、その兄弟であるユーロンが新たに王の座につき、再び打って出ようとし始める。かくして、七王国の派遣を競う王たちは、いまだ海の彼方にいるデナーリスを含め、次の四者ということになった。 <壁>の王 : スタニス・バラシオン 少年王 : トメン・バラシオン 鉄諸島と北部の王: ユーロン・グレイジョイ 海の彼方の女王 : デナーリス・ターガリエン ところが、彼らが覇権を競っている七王国はというと、戦乱が続く中、静観していたアリン家を除くと、スターク家、ラニスター家を含む家々は、それぞれに勢力を大いに減らし、戦場となった各地は荒れ果て、逆徒や脱走兵、自由民といった、それまでの秩序から逸脱した勢力がうごめくこととなった。刻々と厳しい冬が近づく中、七王国は国として体を崩しつつあるのだ。 かくして本書では、その戦乱の裏で、第二の物語である<壁>周辺と第三の物語であるエッソス大陸で一体なにが起こっていたかについて、主に語られていく。ただし、これまたまえがきで作者が書いているように、物語が三分の二ほど進んだところで、時系列が第四部のラストに追いつき、そのあとは第一の物語である内乱のその後も含めて、物語は大きな転換点へと突き進んでいく。それが何かは、読者諸兄の目で確かめていただきたい。 (以下 TVドラマのはなしへつづく) 図書館で借りて、読みました。 待っていただけの価値がありました。 語り手は、ジョン、ブラン、ティリオン、デーナリス、ダヴォス、<リーク>、商人、。 意外な人物が生きていたり、新たな人物が登場したり、またも波乱万丈で目が離せません。 また10月29日刊行の、『竜の舞踏 2』が待ち遠しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年10月01日 11時59分26秒
|
|