カテゴリ:郷土の風景
何もなかった子供の頃 竹やぶや寺の境内をよく駆け回った 境内は土足だらけで後始末が大変だったろう 住職から叱られなかったので格好の遊び場だった 何にもないがそれでも楽しかった 夕方寺の鐘が鳴り響くと終りの合図 皆三々五々に帰っていった 家で待つのは夕飯の仕度 七輪の中の紙にマッチで火をつけ細かい木々をいれる そのあと豆炭をいれた 煙がもうもう けむたい、目から涙が出てくる そんな毎日だった 何にもないが欲しいものもなかった そもそも回りになにもないので 欲しいものが判らない あったのは仕事の役割だけ 貧しくても社会のバランスがうまく保たれていた 今よりずっと幸せだったかもしれない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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