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カテゴリ:広告業界の裏
いま、広告業界で「これを使わなきゃ乗り遅れ感いっぱい」なのが、「エコ」という言葉。どんな広告にもおまじないみたいに「エコ」という言葉が入っていて、「エコのふりしてりゃ好感度上がるだろう」的な魂胆がミエミエで、広告屋としてはけっこううんざりするのだ。
なぜなら、広告制作の現場では、たいていこんなやり取りが取り交わされてるに違いないわけでして。 広告代理店 :「今度の新商品なんですが、どんな感じのコンセプトですか?」 クライアント:「いやまあ、あまり変わりばえしないんだけどね、ボタンがひとつ増えたりとかさ、色が1色増えた程度で、まあ、前のバージョンの流用&焼き直しって感じ」 広告代理店 :「じゃあ、広告戦略で差別化していかないとならないですねー?」 クライアント:「うん、そうなんだよね。やっぱり今、『エコ』が流行だからさ、このキーワードははずしちゃいけないのかな、と。」 デザイナー :「じゃあ、なんか葉っぱをあしらったやさしい系のビジュアルに、バックは全部グリーンみたいなイメージで作ってみます?」 クライアント:「うん、じゃあその方向でちょっと3案ほどやってみてもらっていいかな?」 まっ、これはもちろんデフォルメされた世界なんだけどさ、おおむねこういうこと言ってるのが広告業界の裏事情だったりもするので、広告屋の本音としては、「右向いても左向いてもエコエコうるせえなー」という感じ。 以前、ある住宅メーカーの仕事をしてたことがあるんだけど、そのときにちょっとはやってたのが「ロハス」という言葉。 LOHASと書くんだけど、Lifestyles Of Health And Sustainabilityの略らしいんですねこれ。 でまあ、当時ちょっと言われだした「スローライフ」につながるような雰囲気もあったりして、一部マニアがロハスロハスって言ってたんだけど、なんとその住宅メーカーが、「今度のモデルハウスは、『ロハス』のコンセプトで売り出したい」と言いやがった。 あららららそう来るのね、と思いながら、その話をもらってきた営業担当さんに「んで、どのあたりが『ロハス』なん?」と聞いたところ、「いや分かんないんだよねー」とのお答え。 「じゃあ例によって、アレ? コピーワークでなんとなくロハスっぽさを演出するとか、そういうこと?」と聞くと、「ええ、そのセンでお願いします」。 んー。。。。。。 モデルハウスの仕様書と間取りをつぶさに見たけど、どこがロハスなのかサッパリわからん(笑 で、書いたキャッチが ロハスの家。 わはははははははははは、ロハスっぽい~~~~~~~! とまあ、おおむねこのようにして、「◯◯っぽさ」というのは、コピーワークでどうにでもなるものなので、皆様あまり「流行に乗ろうと必死」的な広告は鵜呑みにしないで、商品をちゃんと見てからにしましょうねー(^^; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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