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カテゴリ:最強クライアント伝説
数年前、あるクライアントが主催したイベントの取材に行った。
僕に課せられた使命は、2時間半ぐらい延々と続くそのイベントを 全部見て、あとでその内容を記事にすること。 そしてもう一つ、こちらはもっと重要な任務だったが、そのイベントの優勝者にインタビューして、 それを素材として広告物を制作すること。 このイベントの参加者は、「グループ」が大半で、個人参加よりも グループのほうが優勝する可能性がはるかに高い。 優勝で興奮する20代前半の男子5人に取材するとなると、こちらもテンションを かなり上げてかからないとならないから、けっこう大変だ。 さてそれで、そのイベント主催者のA社から、Bさんという宣伝部担当の 人が立会いに来ていた。歳は僕よりも少し下。女性。 残念ながら、「僕より少し歳が下」で「女性」という人の90%は、 「オバサン」 というカテゴリーに分類されるんだが、このBさん、誠に遺憾なことに、オバサン全開で迫ってくるタイプ。 んで、このオバサンの唯一の仕事は、優勝者が決まった後で、 主催者側の人間として優勝者達に僕を引き合わせて、インタビューをセットすることなのだった。 僕は出演者の誰とも面識がないし、出演者のほうでも「優勝した場合にはインタビューがあります」などとは聞かされていない。 だから、何がどうあっても、このオバサンが僕を「出演者控え室」に連れて行ってくれた上で、 なおかつ、「優勝おめでと~~~☆」などと言いながら、僕を優勝者へと紹介しなくてはならない。 ・・・にも関わらず、このオバサン、イベントが終了する30分ぐらい前いになって、 「エムさん、あと私がやらなきゃいけないことって、ある?」 と、いかにも帰りたそうな雰囲気満々で言いやがった! あろうことか、これからが唯一、オバサンの仕事だというのに! んで、「ええ、優勝者に紹介していただかないと困ります」 と伝えると、「いや~、エムさん、あなたも業界長いんだから、大丈夫でしょ~~?」 とおっしゃる。 いやいや、業界が長いとかそういう問題じゃなくて! なので重ねて 「いや、Bさん、ここは残って僕を優勝者に紹介していただかないと!」 と言うと、Bさんはこうおっしゃった。 「だってそんなことしてたら、○○○○の最終回に間に合わないじゃない!私、録画してきてないから、絶対見なきゃならないんですよ。」 トホホホホ。 ○○○○の中には、テキトーなテレビドラマ名を入れてくださいm(_ _)m ええ、そこには当時のテレビドラマの名前が入る上にBさんの所属するA社は、別にそのドラマのスポンサーでもなんでもないんですよ(^^; つまり、「ドラマ見たいから帰っていい?」 という、信じられないことを、堂々と言い放ったわけでして・・・。 このあと、どうやってインタビュー取ったのか憶えてないんですが、 なんとか無事インタビューは成功。 その場に、もちろんオバサンの姿はありませんでした。 だって本当に帰っちゃったんだよねー。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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