あんたが書けばいいじゃん?
僕の職種はプランナー兼コピーライター。広告代理店の中ではディレクターという立場で仕事をしているけども、広告のプランは100%自分で立てるし、コピーも80%は自分で書く。まあ、仕事のスタイルとして、そのほうがディレクションしやすいし、しかもたいてい結果がいいのでそうしてるだけなんだけど、もちろん、忙しくて手が回らないときは、コピーに関しては外の人の手を借りることになる。さて前の会社にいたとき、どうしてもコピーを外部の方にお願いしなくてはならないことになった。なので、当然、社内にコピーライターのいるプロダクションさんにお願いすることになる。で、Z社に依頼したのだが、ここのコピーライターは、 オバサン・・・・・・(笑)なぜ僕はこう、オバサンと関係が深いのか自分でもサッパリ分からないが、もうね、はっきり言ってオバサンが出てきた時点で迷惑なわけですよ、かなり(^^;しかもこのオバサンは、僕より年が上なので、リアルにオバサン。仕事の仕方も、なぜか、当たり前のように、オバサン臭を前面に押し出した感じだ。さてそれで、このオバサンに依頼したコピーは、どうしても、「イメージではなくて、事実を分かりやすく噛み砕いて説明する」ことが要求される案件だった。まあしかしこんなことは難しいオーダーではなくて、むしろコピーのABC。優れた事実が何かあるのなら、それを前面に押し出すほうが、よほど説得しやすいのだ。たとえば、税理士を目指す人たちに対するスクールや教材系の広告を出すとして、「企業における貸借対照表の活用に関して、勘定科目ごとに詳しく学べます。」と書くのと、「税理士さんはステキなお仕事!」と書くのでは、上のコピーのほうがはるかに効果的だと思える、と単純にそういうことでしかない。ところがこのオバサン、どうしても、「税理士はステキなお仕事!」的なコピーしか出してこないんだよ。なんでだろうね?あれほど何回も、「今回は相手を説得する目的で出稿しますので、具体的な事実に基づいてコピーワークお願いしますね」と言ってあるんだが。んで、一度、直しを出した。当然、発注のときに資料を渡してあるので、再度、資料の「こことここの事実を使ってコピーにしてください」と、超具体的な指示まで出した。しかし次に上がってきたコピーが、あろうことか、「税理士さんは、みんなから信頼される、とってもステキなお仕事!」的なコピーだったのだ。しかも一案のみ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・。考え込んでしまうよなあ、こういう時ってさ。だってあんまり変わってないじゃん(笑「みんなから信頼される」が入って、「ステキな」を「とっても」で強調してみただけじゃん?まっ、あとで聞いたら、このオバサン、コピーライターというよりは雑誌系の記事のライター色の強い人だったらしく、それならまあしょうがないのかなー?とも思ったんだけどさ(笑でも、「税理士さんは、みんなから信頼される、とってもステキなお仕事!」では今回の広告は用を成さないので、どうしても、書き直してもらわないとならない。んで、再三にわたる話だが、「いや、あの、事実を言ってそれで説得する組み立てにしたいんです」と言ったところ、僕の目の前で、そのオバサンが切れた!なんだか、顔を見ると、もう、完全にブチブチブチブチッときてる感じ(笑なにその逆切れ、と思いながら話を進めたんだけど、その僕の話をさえぎって、オバサンはこう言い放ったのだった!「そんなに言うんならさ、エムさん、あんた、自分で書けばいいじゃん?」(・_・)エッ......?そうとう憎々しげに言ってる空気だけは伝わってきたが、言ってることの意味がわからん(笑んで、一瞬たじろいだんだけど、さらにかぶせて、オバサンはこう言った。「エムさんはね、自分の気に入るようにならないとダメな人なんだから、自分で書けばいいでしょ?私、もうこれ以上書けないから!」んで、僕は幸いにも、こういう問題を引きずらない程度に大人だったので、コピーの部分の仕事を全部引き上げて、言われたとおり、自分で書きました(笑そしてそのオバサンとは二度と仕事をせずに、今に至っております( ̄▽ ̄;)