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専門学校からの帰り。
駅から一歩を踏み出した時、喧騒にも似たサイレンの響き。 5階建てのビルの周りに人が群がっていた。 対向車線の側の歩道にも人だかり。 「何だろう?」 そう思って傍で見ていた男性に問う。 その男も何が起こったのか分からなかったらしい。 「さあ?よく分からない」とだけ言ってまた向こうを見る。 突如としてサイレンが再び響く。 幾台もの警察車両が現場へと集まる。 少し場を移したところ、どうやら飛び降りらしい・・・ ―――――――――――――――――――――――――――― 何台ものパトカーが集まる。 後から来た救急車も含めると10台にも上ろうかという数。 その白と黒のコントラストが、相当な不吉を醸し出していた。 救急車へと運ばれる。 担架の毛布から左脚が力無く垂れ下がっていた。 見たところ身長170cm台、体重は70kg弱といったところだろうか。 その後もその場からどよめきが収まる様子は見られなかった。 ―――――――――――――――――――――――――――― 自殺か事故かは分からない。 ただ、先に居た野次馬は「飛び降りだ」と言っていたが・・・ ―――――――――――――――――――――――――――― 自殺。 ヒ ト 「自分を殺す」ということではあるが、「人間」を殺しているのには変わりはない。 ドス黒い現実から逃れる事は出来るだろう。 さき その未来を見る事は出来なくなるが。 自分自身、自殺しようと考えた事はある。 いじめを受け、耐えきれなくなったりしたからだ。 だが、出来なかった。 おさな 「幼稚かった」 そういう理由もあった。 だけど、実際には「怖かった」。 黒い現実から逃げる事が怖かったのだ。 (まあ今は異なった逃避法がある訳だが) だから、俺は「逃げる」事から逃げた。 ―――――――――――――――――――――――――――― ヒ ト も ろ 「人体」は脆弱い。 まして人の心などその比ではないだろう。 毀そうと思えばいとも容易いだろう。 く く 飛び降りる 首を括吊る その他諸々・・・ 毀す事で逃げられるかも知れない。 でも 逃げた後はどうする? 逃げた本人はそれでいいかも知れない。 周りは? 近くにいた人達は 暗い未来に心を縛られるよ? 手枷足枷括られて、ね・・・ だからこそ俺は怖かったのかも知れない・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 18, 2006 01:16:19 AM
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