カテゴリ:親友のこと
彼女は絶望していた。
病理検査結果の説明を受けた時、 再発のリスクがかなり高いことをきかされたからだ。 ー高リスクだって。 何度もなんども私に言っていた。 因みに私は中リスクだったが、かなり凹んだ。 ー5年後はもう私はいない可能性が高い… そうも言っていた。 誤診した医者に対して私が憤りの感情を表すと、 ー病院変えなかった自分が悪いんだから…。 と言って、なんでも自分のせいにしてしまう彼女。 治療中、私は急にひどく落ち込んでしまうことがあった。 そこから這い上がるため、少しでも上向きになれる材料を探すため、いろいろな本を読んだ。 ネットも使い、本の検索や、注文をした。 近くに図書館があるので、そちらの方もネット検索や本の予約ができるのでずいぶん活用した。 主にがんの本や自己啓発の本。 そこで、上向きになれる材料を見つけては、メモに書き取り、実践し、そして彼女にも伝えた。 彼女はいつも目を輝かせて私の話をきいてくれた。 ー再発の可能性が高い。 ーあと数年でがんで死ぬ。 彼女の頭はほぼその二つに支配されているように見えた。 でも、もしも、そうだとしても、今、元気でこうしておしゃべりしたり、お茶したりできるなら、ずっとそのことばかり考えて欲しくなかった。 ある日、彼女がまた私の治療に付き合ってくれて、いつものようにまたおしゃべりしながら一緒に会計を待ってくれている時、私がいろいろな本を読む中で、自ずと固まった決心を伝えた。 私たち、身体はがんになってしまったけれど、 心までがんに支配されないようにしようよ! 心は自分でコントロールして、 日々小さな幸せを見つけて、 生きよう。 ここで治療が受けられることも幸せだし、 今日、会えて、おしゃべりできたことも幸せ。 せっかく神様からプレゼントされた人生、 もしももしも、多くの人たちよりも寿命が少し短いとしたなら、余計に毎日楽しく幸せに過ごさなくちゃもったいない。 同じ1日なら、悲しみにくれて死ぬことを恐れて終わる1日よりも、楽しい1日を過ごそうよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 3, 2018 12:12:06 PM
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