新規開拓は忍耐力を試される!
これまでの社会人人生の中で最も大変だった「局面」と言えば、新規織機(エアージェット)導入という設備面やトランクルームへの転業というのもありますが、それより4,50年続いてた大手総合商社の賃織り(委託生産)からの「脱却」だったという感じがします。 なにしろ100%仕事が保証されていて、営業や売掛金の心配が一切不要で、100%生産現場に張り付いて、いい品質の織物だけを生産していればよかった訳ですから ところがバブル崩壊の影響を受け、商社も社内の再構築を進めた結果、委託生産からの撤退という事になった訳です そう「宣言」されてから、今までやった事のない「繊維業界の新規開拓」をやらざるを得ない状況に追い込まれました。 それからその商社のコネで、最初自社の浜松支店や合繊メーカーを紹介をして頂きましたが、その後は自助努力でした それまでその商社からの仕事として、寝具の羽毛布団の高密度織物の側生地を中心に「少品種大量生産」方式で織物生産してきましたが、新規開拓において「それしか出来ません」は口が裂けても言えませんでした 取引先を増やした分、寝具分野だけでなく、未知の衣料分野(トップス、ボトム含め、レディス中心にメンズやヤングも)に挑戦せざるを得ないのはもちろん、ユニフォーム分野(ワーキング、オフィス、自衛隊や警察や厚生省向けの官需)、資材分野(車両向け、テント、研磨布、旗、ハンカチ)、中近東向けの民族衣装(トーブ、サリー)と考えられるあらゆる分野に挑戦して行きました 使用する糸の素材も、ド定番の綿100%からポリエステルはもちろんレーヨン、アクリル、麻、ポリノジック、ウール、ストレッチ、新品種(テスト糸)とありとあらゆる種類の素材を使い、その組み合わせは混紡、コアヤーン、メーカー別、原料原産地別、短長繊維別であったりとか、比率(混率%)もマチマチで、番手(糸の太さ)も5番から100番(ジーパンからハンカチ)までと、弊社がエアージェットの20年間の生産に使った糸の種類としてはおそらくトータル700種類以上にものぼった思います そういった「少品種大量生産」から「多品種少量生産」への転換も勿論大変でしたが、その前の繊維専門商社への新規開拓がもっと大変でした。 それまでは年中同じような織物を3か月に1回、約10000反(55万メートル)受注して織ってましたので、最初に新規の繊維専門商社からの受注で、やった事のない難しそうな織物で「1品種100反(5500メートル)1台で1カ月だけ織ってくれ」と言われた時は、本当に「卒倒」しそうになりました しかし毎回そんな「卒倒しそうな織物」ばかりを受注していても、不思議なもので1年経つ頃には、そういった「多品種少量生産」に完全に慣れてしまいました(笑)。 まあ、新規開拓営業も大学卒業後4年間の建築建材メーカーの営業経験で慣れていましたので、割と難なくやれたのでしょうし、大学時代も織物現場の手伝いの合間に、造花リースの歩合制の美容院への飛び込み営業もやっていましたので、その「経験」が役に立っていたのでしょう 新規開拓で取引に成功した繊維専門商社の中には、丸1年間何の注文もないまま、粘り強く毎週1回必ず通い詰めたところもありました。 「お前はシツコイ奴や」と言われながらの粘り勝ちです 私の尊敬する人のひとりに、ある知り合いの社長さんがいまして、とにかく「老若男女」どんな職種の人とでも「気軽に対等に堂々と」喋れるのです。 この「喋れる=抜群のコミュニケーション力」というのがスゴイといつも感心し、これからの不動産の仕事に於いても、少しでも彼に近づきたいと思っている今日この頃です※日本最安値!(年平均2回の利用で、近くにある必要はない) トランクルーム貝塚にほんブログ村