製造業で学んだ「歩留り」論
もう20年以上前、織物機械(織機)をエアージェットという最新の機械を導入当初、取引先の某メーカーの営業担当者から「織物製造は歩留りが一番大事や」と言われたのが非常に印象に残っています 歩留りとは、原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)比率のことで、「歩留まり率」とも言われ、第2次産業の生産現場では生産性や効率性をその高低で優劣を表す事が基準になっています。 それまであまりそういった「生産性」や「効率性」を考えたことがなかったのですが、何億という設備投資をして、その投資金額を「早急に回収」しなければならない当時の弊社にとっては、まさにこの歩留まりを第一に考えなければならないという立場でしたので、この助言はある意味非常に重要かつ貴重なアドバイスでもあったのです 旧式機械から新式機械に代わった事によって、「生産量が5倍に増え」「高級ゾーンに移行する事によって(より難易度の高い織物が生産できるようになった)、2倍の工賃」「人件費が半分」になった訳ですから、稼働率の1%の増減が大きく経営を左右する事になったのです このメーカーの営業マンの助言に基づき、「歩留り」を第一に考えて努力した結果、当時この担当者から受注していた中近東向けの輸出のトーブ(民族衣装)の生産効率は、織機1台で750回転、99%の稼働率(殆ど止まらない)で、1カ月の売上(粗利)がなんと70万円/台(その後急落しますが・・・)という信じられない数字を記録した事が未だに忘れられません これ以降、織物生産で常にこの歩留まりを考えて、例えば工場に1歩踏み入れる時も左右どちらを先に足を出した方が「効率的か?(事前に行動計画を考えた上で)」を真面目に考えるといった事の積み重ねで仕事をしていた訳ですが、今の仕事に於いても、よく「日本の第3次産業(サービス業)の非効率性が世界最悪」と巷に言われているように、なんとか製造業で身をもって学んだこの「歩留り」信仰を、是非どこかで活かしたいと思っているのですが・・・・・ 全国の民間の中小零細企業の多くは(特に大阪では泉州の繊維、東大阪の金属)生き残りを賭けてこのように1%の稼働率アップに血眼になってる訳ですが、1か月後に決まる新しい大阪府知事、大阪市長にもこの実際の中小零細企業の思いを少しでも分かってもらいたいと思います・・・・・※日本最安値!(年平均2回の利用で、近くにある必要はない) トランクルーム貝塚※貝塚市の不動産情報の総合サイト 貝塚不動産.comにほんブログ村 にほんブログ村にほんブログ村