トランクルーム利用にそれぞれの人生ドラマあり・・・
トランクルームで1番多い利用方法は、マンションに住んでられる方のシーズン用品の保管です。夏は使わないストーブとかスノータイヤとかスキーの板、冬は使わないサーフボードや扇風機やキャンピング用品とか・・・しかし、11年間トランクルームを営んできてその他の使い方で驚きの連続でした・・・上記の次に多いのが、あまり大きな声で言えませんが、離婚による荷物保管です。その離婚でも、厳密に言えば「離婚済み」「別居中」「離婚調停中」と様々です・・・その中で若年離婚が多いですねェ・・・1番多いパターンが、お父さんが離婚した娘さんを連れて見学に来るケースです。しょぼくれたお父さんが印象的です・・・それに比べ、娘さんは離婚して清々した・・・なんていう感じです。このコントラストって、私しか分からないでしょうねェ・・・仕事とは言え、何とも複雑な気持ちです。ちょうど、不動産の任意売却の売買仲介のような・・・仲介手数料を稼げますが、売り主側の気持ちを考えれば何とも複雑です・・・しかし、子供の頃から家業の織物業で「モノづくり」にドップリ浸かっていましたから、転業で「エンドユーザー直」のニュービジネスにチャレンジして、毎日ドキドキ新鮮でした・・・50超えて、こんな事になろうとは・・・夢にも思いませんでした。トランクルームの1番客が、朝日新聞に私の記事が載って「記事に載ったあんたが可哀想だから・・・」と理由で、その方の娘さんの離婚の荷物保管だったのには面喰いました。またあるお客さんは、契約時は旦那さんと来られ、数年経って解約時には別の男性と再婚されたのかラブラブで来られたのには驚きましたねェ・・・なんか契約時にヨソヨソしかった理由が分ったような気がしました。また、外国人女性を伴って契約に来られた男性が海外移住という事でしたが、数年後に連絡が取れなくなり(行方不明?)、仕方なく連帯保証人の兄弟に荷物を引き取ってもらうと、その中から仏壇や位牌が出てきたのには驚きました・・・外国人の方の利用も時々あり、毎回その優秀さに舌を巻きます・・・例えば、外国人でありながら日本の超一流大学の大学院博士号を取り、その技術と知識で起業して母国と日本とアメリカの3国間でビジネスを展開しているが、日本にあまり居ないので賃貸住宅を解約して重要書類を弊社トランクルームに保管とか・・・またスマホのアプリを開発して、それでひと財産を築いたが、母国と日本を行き来するのに賃貸住宅を借りる程ではないので(ホテル住まい)、重要文書や資料を弊社トランクルームに保管・・・まだiphoneが新発売されて直後の事で、「アプリ?なんやそれ?」と半信半疑で話を聞いていたのを思い出します。それって、時代の最先端の話だったんですねェ・・・(笑)。また某国の民族楽器を日本に紹介するために来日し、演奏者の第一人者であり、その楽器の総発売元であり、プロモーターという文字通りその「業界のドン」という方の楽器保管・・・なんていうスケールの大きな事をされている人が普通にいる事に驚きます。彼らに共通するのは、母国語と日本語と英語の3つの言語を完全にマスターし(読み書き喋り)、それプラス専門分野のスペシャリストという事です。中には日本の各種法律に有利に働くように(日本で生活し易いように)、日本人に帰化している人もいました。正に、驚き以外何ものでもありません。これまでの人生でそこまで「賢い人」に出会った事もありませんし、織物業だけなら絶対知り合えない人達との交流に、人生を感じる事多々アリです・・・これは普通の人間が努力しても辿り付けない境地であり、秀才が死ぬほど努力してやっと辿り着ける境地で、全く次元の違う世界で彼らが生きているというのを感じました。かつて、大学空手部時代に出稽古で全国ベスト8に入った流派先輩の突きと蹴りの物凄いスピードを目のあたりにしたり、ウインドサーフィン全日本選手権でその時に優勝した選手とスタート1分前に遭遇しましたが、2,3秒の間に私には全く見えない風を読んでスルスルと何処かへ行ってしまって知らぬ間にスタートを切っていた・・・こんな経験とよく似ています。こちらは試合用の空手の練習なのであくまでもポイントを取るための「寸止め」のつもりが、先輩は金的を蹴られてもいいように金的カップなるものを装着していたというのは、例え試合用の練習でも空手は武道なのだから相手を本気で倒すつもりで掛って来いと言外に言いたかったのでしょう・・・同じ空手の稽古をしてもこっちが試合用、先輩は真剣勝負・・・最初から気概が全く違いますので、はなから勝負になりません(気で負けてます)。大正時代に沖縄から伝わった本来の空手(唐手)というのは、人間の3つの急所(人中、鳩尾、金的)だけを狙ったものであり、これこそが武道の本質だったのです。ウインドのレース中でも有名選手に出会ったので、「こんにちわ」と挨拶でもしようかなと思っているうちに、何処かへ消えてしまった・・・まるで狐につままれたと思うくらい素早かったのです。その有名選手は全日本で優勝して世界選手権でも入賞を狙っているくらいでしたから、こちらと次元が全く違っていたのです。別世界もイイとこです。真剣勝負の世界で挨拶なんて・・・自分の馬鹿さ加減に本当に恥ずかしかったです・・・若い頃の空手とウインドサーフィンの経験を通じて、何かにつけ「勝負」というビジネスに最も大事な「心の持ち方」を学んだような気がします。まァしかし、スゴイ人間を目の前にして思う事は「こりゃ、ダメだ!」と・・・こちらが死力を尽くしてもダメなものはダメです。そして、「俺は別の道を歩もう・・・」です。俺には俺の道がある・・・人は人、自分は自分です。俺の能力で出来る範囲があるはず・・・いくら頑張っても実現できない夢を追っても無駄です。自分なりに精いっぱい努力すれば、自分の「本当の能力」が見えてきます。死力を尽くして、自分の能力を把握する事が何より大事です。それ以上でも以下でもない、正真正銘の実力です。見えてきたら、それに「+10%」の目標設定をする。出来もしない「+50%」を目標設定したら、自信を失うだけです。残念ながら「俺はまだ本気出してないだけ」という題名の堤 真一主演の映画が出来るほど、多くの人が一生本気を出す事無く人生を終えるというのが現状かもしれません・・・「本気」を出せた人は幸せ・・・という事でしょう。まァ、自分の能力をまともに見るのは確かに情けない事ですが、前を向いて生きていくには仕方ない事です・・・(涙)。そこからのスタートですから。いつもの様に話が飛びましたが、トランクルーム利用客の中で、「親の介護」関連での利用も非常に多いですねェ・・・年老いた両親が老人ホームに入居するパターンや、両親を子世帯が引き取るパターンや、逆に親世帯に子世帯が同居するパターンといった3パターンがあります。老人ホームの部屋のスペースに限りがありますし、後者2パターンは2世帯が1世帯になるのですから荷物が溢れます・・・そういう時にこそ、トランクルームが重宝されるのです。断舎利とか世間で言われてますが(本を売る為の単なるプレゼンか?)、実際の高齢者はなかなかモノを捨てれるものではありません。実際私の目の前で、高齢の親が「捨てないで~」と子に向かって泣き叫ぶのを何回も見てきた事か・・・しかし、親の死と同時にトランクルーム契約が終了(解約)します。解約して、多くは廃棄処分するようです・・・また、スタジオ経営を始めるキッカケになった「楽器保管」も多いです。ギター1,2本というのは荷物の中にザラにあります。余りの多さに「何で、ギター捨てないんですか?」と野暮な質問をすると、「いつかまた、したい(再開)から・・・」と。チョッと凝っているなァという人で、10~20本のギターを保管しています。中には、60本も保管している人もいます。1本1本ハードケースに入れて保管されているので、結構かさ張ります。弊社としては本当にイイお客さんです・・・(笑)。まァ、トランクルームの中にリハーサル音楽スタジオ(スタジオ0724 貝塚市名越661 072-446-0798)を併設していますので、ミュージシャンにとっては最高のシチュエーションですが・・・また、ネット販売の倉庫としての利用というのも時代を反映していますねェ・・・自宅で始めたけれど、年々ネットビジネスの売上が伸びて、自宅が商品で埋め尽くされ、ニッチモサッチモいかなくなった・・・と。どうしようかと思案していると、大きな営業倉庫を借りるのはまだ時期尚早・・・ならば、取り敢えずトランクルームを借りようと。また、プラモデルやフィギュアや鉄道模型やミニチュアカーの保管も多いですねェ・・・全員男性で、キャリア(コレクター歴)2,30年というのはザラで、中にはキャリア50年の方もおられます。トータルの投資金額を聞くと、ビックリ仰天・・・(笑)。趣味に対する情熱というより愛情を感じます。違った世界を見るというのもオモシロイものです。これまでのような個人での利用以外に、法人需要があるのも弊社トランクルームの特徴かもしれません。一つは「商品倉庫」です。月額賃料10万円以上の大きな倉庫を持てない零細中小企業の倉庫や、南大阪支店の倉庫として大活躍です。最大で月額賃料が2万円台(11~15畳)ですから、大幅な経費削減になります。そして、もう一つは「事務機器」です。企業の事務所の閉鎖や縮小で、一時的に事務機器(机、椅子、ロッカー、書棚)を保管するのです。次の移転先が決まるまでの短期利用ですから、結構重宝がられます。あと変わった利用方法で、劇団の大道具の倉庫やプロダクションのぬいぐるみショーの倉庫というのもあります。これらは結構かさ張りますので、家に置けるものではないですから・・・という事で、トランクルーム賃貸業11年を通じて色んな人との出会いがあった事で、随分と刺激を受けました。また事業用不動産仲介も営んでいる事もあり、5~10%くらいのオファーがオーバーラップしており、シナジー効果も出ているのかと感じますねェ・・・上記はほんの一例で、11年間で長期短期含めて1000件以上契約があったように思います。そうなると、1000パターンあった計算になります。まア、多くのトランクルーム業者は運営をFC業者に任せていますが、弊社は自社で運営していますのでエンドユーザーの動向が手に取るように分るのです。イヤ、FC業者も経営者が自ら動かず、細かな対応は担当者任せかもしれませんので、そこまで詳しい事はワカラナイかもしれません。このトランクルームの「エンドユーザー直」という手法は、リハスタ経営にも踏襲しています。ジックリお客さんと直接話をしながら、ビジネスを軌道修正しながら時間をかけてボチボチ進めていく・・・正に、織物時代に培った現場の「カイゼン」そのものです。何やかと言っても、長年身に沁みついた「メーカーっぽい」発想法は抜けません・・・(笑)。これが、自分ですから・・・しゃーないです。いずれにしても、織物業から突然リハスタ経営を起業したのではなく、その間にトランクルームがあり、その経験を積んだ上でのリハスタだったのです・・・まア、何でも順序を踏んで行く、段階的に物事を進めていく、ボチボチ行く・・・だったのです。チョッと、慎重し過ぎるか・・・(笑)。しかし、これまであった法人向けの営業倉庫とは違った、トランクルームという個人向けビジネス(レンタルスペース)を誰が最初に考え出したのかは知りませんけど、ほんとオモロイ商売ですわ・・・にほんブログ村 にほんブログ村にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ