シェアリングサービスだった「トランクルーム」「音楽スタジオ」「卓球場」「自習室」
昨今、自動車や洋服、オフィス、宿泊場所――。さまざまなモノ・コトをムダに“購入・所有”せず、他人と“共有”することでおトクに利用できる「シェアリングサービス」が続々登場しています・・・最近流行しているビジネスを分析すると従来の物品販売では無く、左脳ではなく右脳を刺激するような「体験」を求める傾向のような気がします。また若い世代の人たちが本能的にシェアリングサービスを選択しているのは、結局いくら所有したところで満たされない、幸せになれないと直感的に分かっているからでしょう・・・言い換えると、我々シニアの世代と全く価値観が違っているのです。我々シニア世代がマーケットのボリュームゾーンから撤退して、このような若い「新人類」がマーケットの大勢を占めれば、当然経営側の意識改革も必要ですし、出来ないなら刷新を迫られます・・・しかしよくよく考えて見ると、弊社がレンタルサービスしている「トランクルーム」「音楽スタジオ」「卓球場」「自習室」は、ある意味このシェアリングサービスだったのです。「トランクルーム」は主に個人向けの収納庫や倉庫として月極で利用され、複数人で借りたり、短期利用の場合1つの部屋が何回も賃借人が変わります。個人宅で増える一方の荷物に応じて引越や部屋を増設するのも実際大変ですし、現実的ではありません。正に都合のいい時に借り、必要がなくなれば簡単に解約できる、家庭用のコンビニエンス・ストレージだったのです。「音楽スタジオ」はトランクルームと違って時間単位で貸し出されますので、毎日目まぐるしく頻繁に賃借人が代わります。家で楽器を演奏するのは騒音で近所迷惑ですし、特に家でドラムを叩くなんて、電子ドラムは出来ても、生ドラムなんてプロでも殆ど不可能です。自宅の1人ゲームというデジタルプレイと対局にある、スタジオで複数人でバンド演奏というアナログプレイは、逆に今の若者にとってオアシスのように感じるのか・・・どこの高校も軽音楽部の部員数が多いのは、世の中のパソコンやゲームといったデジタル文化発達の反動のように思います。「卓球場」も音楽スタジオと同じように賃借人が代わります。卓球台は大きくて場所を取り、リビングに置いて時たま卓球をするなんて最初だけで後は邪魔になってしょうがありません・・・メインユーザーのアナログ世代のまだまだ元気な60代70代が公共体育館に飽きて、弊社「完全個室制」というニュースタイルで激安料金(1台1時間250円)にワイワイと集まってくるのでしょう・・・そして「完全個室制」にした事で意外にもファミリー層が多いのは、コミュニケーション不足を解消しようとする、これもデジタル社会の反動か?・・・と分析しています。「自習室」はこれまでと違って賃貸スタイルのバリエーションは豊富で、月極、1日貸し、6時間貸しの3種類でこのマーケットに対応しています。日本人も贅沢になったモノで、家で勉強するのは誘惑が多すぎます。日常から完全にシャットアウト出来る完全個室の自習室は、それなりに需要があるのです。シーンと静かな自習室で座禅を組む・・・こういった修行僧のような利用方法もオモシロいと思いますよ・・・(笑)。また周りの人に自習室をやっていることを話すと、仕事や子育てに多忙を極めストレスが溜まっている方から、「たまに1人になりたい・・・」と言われて、こういう需要もあるんだなァ・・・と改めて現代社会の実像を見た次第です。まァ、1人で黙想するのもイイし、机に覆い被さって昼寝するのもイイし、好きなDVDを見るのもイイし・・・6時間500円(18時間1000円)は安いと思いますよ(笑)。日常生活で、こういった静かな場所はありそうでありませんからねェ・・・しかし、この4種類のビジネスをそういう風に全く意識はしていなかったのですが、結果的に時流に乗っていた事になります・・・(笑)。長かった織物時代は糸から布にするというファッション(繊維)業界のごく一部を担い、これも言葉を換えればモノ消費である「物品販売」ビジネスだったのです。考えてみると、この11年間で真逆のビジネスに転換してきた訳ですが、途中全くそういう意識は無く、経営者に必要なロングスパン的な戦略は一切無く、近視眼的な事の積み重ねだけでココまでやって来ました。未だによく分からないまま、この「道」を歩んでいる自分が不思議です・・・(笑)。という事で、こういったシェアリングサービスが成り立つのも、片道1時間以内に人口270万人の大阪市と84万人の堺市という大きなマーケットがあり(貝塚市9万人)、価格を相場の半額から3分の1に設定することによって商圏がこの2つにも拡大したというラッキーさがあったのです。そして、世の中の大きな潮流が「デジタルビジネスへ」ですが、大手をはじめ多くの業者が我も我もと参入しようとする競争の激しい分野に零細企業が参入すると、渦の中に巻き込まれていつの間にか消えてしまいます・・・そう意味で逆に弊社のような零細企業がツールとしてデジタル機器を駆使した「アナログビジネスへ」が、生き残るひとつの方法だと信じているのです。にほんブログ村 にほんブログ村にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ