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カテゴリ:音楽スタジオ(スタジオ0724)
都会のビルの中にある音楽スタジオやライブハウスで、階下や階上から「うるさい!」というクレームが来たという話を最近よく聞きます。
大体、ヘビメタ(ハードロック)系の音楽をガンガン演奏するか、何百人もの観客が踊り出して、音圧やドンドンという床への振動でビル全体が揺れているようです・・・ そりゃ、最初からビルオーナー側もそういうジャンルの店子さんが入ると想定していれば、それなりの対策を建設当初からしているかも知れませんが、建築コストとの兼ね合いでなかなか現実問題難しいと思います。 ビルの地下にある場合は未だマシですが、10階建てのビルで真ん中辺りの4階や5階にスタジオやライブハウスがあって防音や防振対策に失敗すると、上下階から苦情の嵐になるのは目に見えています。 クレームが出た場合、素直に謝って音量を落とすか、再度防音と防振対策を施すしかありません。 最悪、閉店撤退という事例も聞いたことがあります。 それほど、近隣に音が漏れないようにし振動が伝わらないようにするのが、音楽スタジオ経営側の最低必要条件です。 しかし、これがホント難しいのです。 防音&防振対策はこれで100%保証します・・・という業者側の保証はありません。 殆どの場合は既存の建物に防音工事をするわけですが、これが千差万別。 建物構造(鉄筋RC、鉄骨造、木造)や何階建てか、築年数、他の入居者状況、周囲の環境(都会か田舎か?)、用途地域は(時間帯別「規制値」の違いあり)?・・・ 勿論、更地から鉄筋RC造建物を建築すればコストが掛かりますが、ほぼ完璧に対策できるかも知れませんが、それがビジネス的に採算が合うかどうかは別問題ですが・・・ 多くの音楽スタジオモデルは、便利な都会の駅近のビルのワンフロアを借り切って、3~5室のスタジオを作るようですが、防音&防振対策に失敗すると目も当てられません。 というのは、不動産賃貸借契約で解約時に「原状回復」が義務づけられているからです。 工事に何千万円もかかり、解約で撤退となれば元の状態に戻すのに、また何千万円も掛かるかもしれません。 そんなシュミレーションをすれば、結局「やっぱり、止めとこ・・・」という事になるのです。 それほど防音や防振に関してシビアにならないとビジネスになりません。 不動産仲介の仕事でも、ダンススタジオをしたい(何処かの建物を借りたい)というオファーが時々あります。 大体、既に何処かでダンススタジオを経営されていて(賃貸で)、ドンドンという振動でビルを追い出されたというケースが多いようです。 貸す方も借りる方も契約前に、実際どれくらい振動がするのか分からないというのが正直なところです。 そして、いざオープンすると、想像以上に振動で建物が揺れて「こりゃダメだ・・・」となる訳です。 建物オーナー側も防音や防振対策を施していないケースも多く、賃借人側のスタジオも経験値が少ないようで、何人でどんなダンスを踊ればどれ位響くのか?が分っていないようです。 双方あまり分っていないまま賃貸借契約をする・・・そりゃ、トラブルになるのは明らかです。 そういうケースを過去10年で何回も見てきました。 それほど、防音と防振工事は難しいのです・・・ 普通の工務店やハウスメーカーでは到底出来ない特殊工事だったのです。 今、音楽スタジオを経営できているのも、織物時代に防音と防振に散々苦労したからです。 音に関しては、工場の壁の厚みを一般住宅の2倍のALC壁100ミリにして、開口部は2重にしました。 1階は無窓にして、2階は採光が必要でしたので、2重サッシにしました。 その他、湿気対策として建物周囲に地下60センチ+地上60センチの外から断熱材を施工したり、織物工場としては当たり前の付帯設備なんですが、単に倉庫やトランクルームとして使うならもう完全にオーバースペックだったのです・・・(笑)。 何十機もあった吸気や排気のダクトの内張に全て断熱材を施工し、1番の音源である2階にあったコンプレッサー室をオーディオ経験のアイデアで音と振動(共振)を防ぎました。 織機の振動に関しては、1台1台深さ70センチで一回り大きくコンクリート床を掘り下げ、そこに特殊な鉄製の防振架台を設置して、中に生コンを注入して何十個もある強化スプリングバネで何トンもある織機を浮かすという完全に床とは縁を切った方法で、完全に織機の床に伝わる振動を抑えました。 この防振対策だけで合計何千万円も掛かりました・・・(涙)。 しかしこの対策をする事によって、織物工場が24時間稼働できた訳です。 こういった過去の工業的な防音と防振対策の経験が、音楽スタジオの音響的な防音と防振対策に役立っているのは言うまでもありません。 幸い巡り会えた優秀な防音専門工事会社も、値段と品質で弊社と折り合えた事がラッキーさを後押ししました。 こういった防音と防振対策を「スタジオ0724」に施しましたが、更にスタジオの場所がトランクルーム貝塚「別館1階」のど真ん中ですので、周囲が上(2階)がトランクルームの部屋ですので、音や振動の漏れようが無かったのです。 更に更に、周囲の家とは隣接していません。 こんな条件的に整ったスタジオは無いと思います。 だから弊社スタジオで、ヘビメタをガンガン演奏しても、ダンスでいくらドンドン踊っても何とも無いのでした。 という事で、約30年前に夜も寝れない日が続くほどホント苦労した織物工場の防音と防振の経験が、今のスタジオビジネスに役立つとは夢にも思いませんでした。 「人生、無駄なモノは一つも無い」というのは、正にこの事を言うのだろうと思います・・・(涙)。 しかし、何でヘビメタ(ハードロック)対応が気になるのか・・・? 何を隠そう、私はヘビメタ大好き人間だからです・・・(笑)。 ちょうど私が高1の1972年にディープパープルが発表した名盤「マシンヘッド」に衝撃を受けてから、シカゴ一辺倒からハードロックにも目を向けるようになったのです。 かれこれ、40数年間も飽きもせずにハードロックを毎日聴いている事になります・・・(笑)。 それ程私にとってハードロックが心の底から好きなのです。 知らない人から見たら、一種のヘンタイです・・・(笑)。 なので、ヘビメタバンドさんにドンドンスタジオに来て欲しいのです。 40年ぶりにドラムを再開すると同時に、弊社ドラムレッスンに自らお金を支払って受講していますが、今正にレッドツェペリンのtrampled under footを練習しているところなのです・・・(笑)。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.04.29 05:50:51
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