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カテゴリ:中小企業の生きる道
ありそうでなかったシリーズ第26弾は、「地主直営」のトランクルーム(音楽スタジオ)です。
弊社「トランクルーム貝塚」と「スタジオ0724」は、弊社所有の土地と建物上で展開しているビジネスです。 しかしマンション(アパート)経営は地主が殆ど業者任せなのと同じように、トランクルームもスタジオも地主が業者に任せるのが一般的で、弊社(地主)のような「業者が一切関与しない」ビジネススタイルは異色です。 そんな事を何も意識せずにトランクルームを16年間経営してきましたが、この2つのビジネスとは別に不動産仲介業も10年以上営んできて思ったのが、この地主(弊社)が業者を一切介在せずにエンドユーザー相手に直接ビジネスしているというスタイルは非常に珍しいという事に気づきました。 「自分の所有する不動産を活かすにはどうするか?」を先入観なしに普通に考えると、何か新しい商売を自分で考えるのではないでしょうか・・・? 殆どの人は自社所有の土地や建物を他人に貸す事ばかり考え、それを使って自分で新しい商売を始めようと考えるのは私を含めてごく少数派です。 織物業からトランクルームに転業した時に、取引商社の複数の担当者から聞かれたのが「どこにトランクルーム事業を頼んでんの?」です。 如何に、織屋なんか所詮下請けで自分で何もできないのとちゃう?・・・というのが見え見えで腹が立ちました。 まァ不動産活用で真っ先に不動産屋に走るのは(相談に行くのは)初めから商売を投げている証拠で、不動産屋サイドから見れば正に「鴨が葱を背負って来る」姿そのものです。 先ずは自分で考える・・・他人をアテにしない。 これこそ当たり前の考え方で、普通の姿だと思います。 こんな考えに至るには理由がありました。 織物時代に同業者の多くが廃業や倒産してしまいました。 貝塚市から岬町まで最盛期の1970年前後には織布業者が約680社ありましたが、50年経って弊社を含めて約98%が倒産や廃業という恐ろしい実態です。 50年でたった2%しか残らなかったのです・・・(汗)。 日本全国を見渡して、こんなに激減した地場産業ってあるでしょうか・・・? 時代の流れと言えば、それまでですが・・・(涙)。 そんな中で上手に織物業を廃業したなァと思う同業者を見てみると、自社で正式に宅建業者の免許を取り(不動産屋になり)自社の広大な工場敷地を更地にして、そこに分譲住宅を何十軒も建てて売り切って(建売り)借金を全額返済したという例を聞いたからです。 「エ?そんなウルトラCの廃業の仕方があったのか!」と驚愕しました。 と言うか、借金以上に建売りで儲けたという話ですから、頭の切り替えが素晴らしい見本です。 繊維商社が取引先の織屋という「B to B」スタイルから、エンドユーザー相手の「B to C」への転換は長年繊維業界にドップリ浸かっている我々としては、清水の舞台から飛び降りるくらいの度胸が要ったのです・・・(汗)。 「私もソレをいずれ真似てみよう・・・」と心の中で思っていたのかも知れません。 まァ普通なら不動産屋に泣きついて、二束三文で工場用地を買い叩かれ、銀行には借金棒引きかリスケで泣きつく・・・というストーリーが考えられますが。 その同業者は、織屋の裏の顔(不動産屋)で2刀流の仕事をして成功を収めたのです。 2刀流・・・ココです。 ポイントは。 どんな業界でもそうですが、「私はコレ(織屋)しか出来ない」では、相手や業者(不動産屋)に足元を見られるのです。 国家間でもそうですが「俺にはこんな武器(核、宅建業者免許)があるどォ」というのが無ければ、相手にバカにされるのです。 まァしかし、そういうキレイな廃業の仕方もあるんやなァ・・・と感心しました。 膨大な数の廃業した同業者をよく見ると、業者に頼らずに自社独自で別のビジネスを展開しているところが結構上手くいっています。 業者を中に入れれば楽ですが、業者はソレ(企画、管理、運営、集客、集金)でメシを食っていますので、地主に多くの利益を還元するようなマネは絶対にしません。 四季報を見れば一目瞭然で、業者の好業績がズラズラと並んでいます。 当たり前ですが、天才は別にして普通の人が儲けるには質量とも2人前の仕事(2刀流)をするしかないのです。 振り返って見ると、トランクルーム業界はアパマン経営のように業者主導のチェーン店が多く、音楽スタジオは都会のビルのワンフロアを借りて営業というのが一般的で、弊社のように「土地所有者=建物(ビル)所有者=トランクルーム(音楽スタジオ)経営者」というのは全国的にも非常に珍しいです。 トランクルームと音楽スタジオの両方となると、日本で私が唯一です。 という事で、子供の頃から入れれば40年間は織物業にドップリでしたので、非常に良い社会勉強になりました。 小中学生の頃にイヤイヤ親父に連れられて同業者を回ったり、織物工場に色んな地元の仕入れ業者が出入りしていたり、取引先商社の担当者の自宅に中元や歳暮を届けたりしたのは決して無駄ではなかったのです。 そして2刀流が生き残る必須条件というのは音楽業界を見てもよく分かり、欧米のロックグループが長らく現役で活躍している主因は「作詞=作曲=歌手」の3つをバンド内で完結しているからです。 このシステムを日本では「シンガーソングライター」と特殊扱いしていますが、欧米の音楽業界ではこれが普通で、日本でも50代以上のミュージシャンで生き残っているのは正にこの3つを満たしているバンド(ミュージシャン)だけだったのです。 正に欧米の常識が日本の非常識でしたが、これが「世界共通の生き残る条件」だったのです。 「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」 「 貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798 mail: info@sasatani.com にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.01.18 17:39:10
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