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カテゴリ:中小企業の生きる道
今から17年前の49歳の時に、祖父の代から57年続けてきた泉州の地場産業だった家業の綿織物業から180度方向転換し、2棟の織物工場を改造コンバージョンしてトランクルーム賃貸業に転業しました。
49歳・・・今から考えると若い。 よくそんな事が閃いて、1人でそれを行動に移せたんだなァと自分でも感心します・・・(笑)。 当時は「とにかく、こんな事をやっていては60歳まで身体がもたない・・・早くやめなくては」という思いが強烈で、何に転業(転職)するかは後回しでした。 先ずは廃業ありきで、将来何をするかは廃業決断の段階では全く未定だったのです。 とにかく、長い流通の日本の繊維業界でエンドユーザーからかけ離れたポジション(川中)で、取引商社に振り回されるような仕事だけは避けたかったのです。 何より商社の委託生産(賃織り)という自分の意思が余り通らない交渉余地の少ない「相手(取引商社)のほぼ言い成り」という取引形態を、一刻も早く解消したかったのです。 経営者として、これほど情けない事はありませんから。 その発注元の取引商社にしても、末端の小売で何がリアルタイムで売れているのか知らないのです。 まぁ平たく言えば、業者を間に入れずに直接エンドユーザーと商売をしたい・・・というビジネスを廃業決断してから実際廃業するまでの1年間で必死に探していたのです。 そして織物工場を改造しただけでビジネスができそうなトランクルームという未だ新しいビジネスモデルをやっていこうと決断したのです。 一度決断すれば、あとは早いです。 当時北京オリンピック前の好景気に沸いていた中国への織機の売却交渉や、工場をトランクルームに改造する工務店との交渉も廃業日の1ヶ月前から猛烈な勢いでトントン拍子に進めました。 廃業日の1ヶ月前からというのがポイントで、それより以前に情報を漏らすと噂で潰されてしまうのです。 文字通り子供らに伝えたのも、従業員や取引商社やメインバンクと同じ廃業の1ヶ月前です。 ココまで情報統制を徹底しましたので、1か月前の廃業宣言から噂が広まるスピードより、転業に向かって織機の中国への転売や織物工場の改造コンバージョン、トランクルームの集客プランを考える方が遥かに早かったのです。 織物業の廃業(トランクルームへの転業)から2年後にリーマンショックというオチまで付き、如何にあの廃業決断が正しかった・・・かと(汗)。 私は株の売買はしませんが、プラザ合意後の円高不況時(バブル前の1987年)に最新鋭のエアージェット織機を安く買い、旧工場の1棟を解体して新工場(後のトランクルーム貝塚「本館」)を安く建設し、北京オリンピック前の好景気に沸いていた中国に20年間355日24時間エンドレス稼働して使い倒した中古のエアージェット織機を高く転売したのです。 運・・・という簡単な言葉で現わせないような自分のラッキーさにいつも感謝し、毎朝起きてすぐに仏壇に手を合わせるのです・・・(涙)。 という事で、49歳の「あの時の決断」がなければ今の自分はないと断言でき、まさか「その決断」が一生食えるビジネスモデルだったなんて想定外でした。 それも織物時代の10分の1・・・の労力で。 10分の1なんて、殆ど自分で働いているという感覚がありません。 トランクルームに転業以降、宅建を取って不動産仲介業を始めたり音楽スタジオも始めたりして・・・「遊んでいる」とまで言いませんが、それに近い感覚なので1日も休まずに年365日働いている?のです。 仕事(織物業)を家業だから無理に好きにしていましたが、それを本当に好き・・・に変えたという事か? 楽(ラク)して儲ける・・・とまで言いませんが、一生ラクして食えるくらいのビジネスモデルを自分なりに49歳で探り当てたと言えるかも知れません。 サラリーマンでも家族を犠牲にして長時間働いたり、アチコチ転勤で会社に振り回されたりして高額な報酬を得ても、心身とも疲弊して定年前にダウンしたら全くナンセンスです。 会社なんてグローバル化に晒された競争が非常に厳しい日本のビジネスシーンで如何に生き残るかしか考えていませんので、会社と一蓮托生で全責任を負っているオーナーではない限り、会社員は常に一歩引いたジョブ型志向のスタンスが必要です。 まァ60歳定年を単なる通過点として考え、会社(他人)をアテにせずに自分の腕(能力)だけを頼って80年の人生をトータルで考えると、より充実した人生を送れるように思います。 自分の能力を考えずに欲望を抑えて勉強ばかりして一流大学や一流企業に就職しても、途中で挫折という例をこれまで沢山見てきました。 やはり勉強も遊びも欲望も適度にバランスを取りながら余裕で生きることが、最後に幸せを勝ち取る最短距離かも知れません。 まァしかし、コレが人生なんだなァ・・・とシミジミ考える今日この頃でした。 平均寿命より20年長い100歳を目標に、充実した日々を送れるように健康に気をつけ楽しい仕事に邁進?していきたいと思います。 朝日新聞 2006.6.21.掲載 「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」 「 貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798 mail: info@sasatani.com にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.08.08 05:17:11
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