自分の理解できる範囲内で投資する
The Warren Buffet Way, Second Edition 、「バフェットの法則」第2版のオーディオブックを聴いていますが、"circle of competence"という言葉が何度も出てきます。「ビジネスにおいて自分の知性・会計上の知識で理解できる範囲」という意味合いの説明がされています(私の聞き取りが間違っていなければ)。 中国株を見ていて、確信を持って投資できそうな銘柄がなかなか見つからない理由を考えてみました。個々の中国企業の現状を知らない、自分の知識の範囲外だというのがもっとも大きな理由だと思います。これがバフェットの言う「circle of competence(自分の能力の範囲)内で投資する」ということなのだなと改めて納得できました。Competence(自分の理解できること)がconfidence(自信)につながるのでしょうか。ピーター・リンチも「20の黄金律」の中で同じようなことを言っています。■投資家としての強みはウォール街のプロから得るものではなく、すでにあなたが持っているものの中にこそ見出される。土地勘のある企業に投資することによって、あなたの強みは発揮され、プロをも打ち負かすことが可能になる。 "Circle of competence"という言葉はBirkshireの1996年の年次報告書の Letter to shareholder に書かれており、「バフェットからの手紙」にも相当する部分があるのですが、石坂 俊さんのHP「投資をまじめに考える」の日記の訳のほうがより原文に忠実だと思うので引用させていただきます。------------------------------------------------------------------------------- Should you choose, however, to construct your own portfolio, there are a few thoughts worth remembering. Intelligent investing is not complex, though that is far from saying that it is easy. What an investor needs is the ability to correctly evaluate selected businesses. Note that word "selected": You don't have to be an expert on every company, or even many. You only have to be able to evaluate companies within your circle of competence. The size of that circle is not very important; knowing its boundaries, however, is vital. しかし、ご自分でポートフォリオを構築しようとするのであれば、覚えておくべきことがいくつかあります。まず、賢い投資は複雑ではないということです。もっとも、簡単というのとは全然違います。投資家に必要なのは、選択した事業を正確に評価する能力です。ここで「選択した」という言葉を使ったことに注意してください。すべての会社に関して、いや多くの会社に関してすら、専門家になる必要はありません。自分がわかる範囲の中から選んで会社を評価できればよいということなのです。そのわかる範囲が広いかどうかは重要ではありません。しかし、わかる範囲がどこまでかを知っていることが極めて重要なのです。-------------------------------------------------------------------------------「ファンダメンタル株式投資」の関連記事もご参照ください。