イタリアでモロッコごはん

私は水戸生まれ、水戸育ちの生粋の水戸っ子でございます。
水戸といえば、黄門様と水戸納豆。
毎年偕楽園の梅を愛で、朝から納豆を食べ育ちました。

水戸にタダ一つ足りなかったのは
私が高校生の頃から猛烈に執着しはじめたナチュラルチーズ達。

そして私は東京でチーズと美食に溺れる生活をして
果てはイタリアまでやってきてしまった次第でございます。

もし水戸に私の求めるチーズがあったなら
少しドライブすれば海あり、山ありの暮らしやすい水戸を
離れることはなかったでしょう。


水戸弁を話してみてよ、とよく言われますが
私が話していた水戸の言葉は特徴ある方言というより
「水戸独特のイントネーション」で話していたので
もう１０年近く離れてしまっていて水戸出身の相手がいないとなると
１人で披露するのはなかなか難しいものであります。


あえて説明するならコテコテの茨城弁の
「だっぺ」を説明させていただきます。


これは両親共に茨城出身の家庭の坊ちゃんなどがよく使います。
「そうだっぺ（そうだよね）」
「そうだっぺよ？（そうだよね？上の活用形）」

「田舎っぺ（田舎者・いなかっぺと読む）」

などなど。
私が記憶しているのはこの程度で
なかなか水戸弁の講師になれるほど土地の言語を極めておりません。


しかし、水戸に住んでいながらも
さすがに会話の中に「田舎っぺ」などの言語が組み込まれると
違和感を感じていたのも事実でございます。


この「ぺ」はですね、訛りのレペルも最高の域に達しているので
標準的な水戸弁使用者にはちょっとキツいものがありました。

水戸に住んでいても「相当な田舎者」のことを
通称「カッペ」と呼んでおりました。


そして現在イタリアに生活するＤｅｌｉｚｉａですが
最近目に付いてしまうのが、イタリア単語の間違い表記。


×パルメジャーノ→○　パルミジャーノ
これは大昔から喫茶店に置いてあった「パルメザン」と表記されている
どこかの会社が作った筒状の粉チーズの名残によるものでしょう。


×モッツァレラ→○　モッツァレッラ


細～いパスタは？
×カッペリーニ→○　カペッリーニ

この「カッペ」に反応する水戸出身Delizia。
ソースの絡みも喉越しもよく、夏には冷たいパスタとして活躍します。

もとはＣＡＰＥＬＬＯ（カペッロ・髪の毛）で
ＣＡＰＥＬＬＩＮＯ（カペッリーノ・細い髪の毛）で
細い髪の毛のようなパスタなのでＣＡＰＥＬＬＩＮＩというのですが。


しかし日本の「料理人」でさえカッペ、カッペと間違う始末。
それがどうも「田舎っぺ」を連想させられて苦笑してしまう私。


なんでこんなに「カッペ」で普及してしまったものかと思っていたところに
私の疑問を解決してくれるメルマガが届いたのが２ヶ月前。
読後すぐに私がフランスに発ってしまったのでこちらでの紹介が遅くなってしまいました。

このメルマガは私が東京にいた頃から愛読しているものでオススメです。
お時間ございましたら是非ご覧ください。


膨大な数あるイタリア系メールマガジンや雑誌を読んでいても
私がイタリアに住んでしまったばかりに
発見してしまう小さな間違いが沢山あります。


しかし、メディアの力は凄まじいもので
間違いも時にはまかり通ってしまうのです。
まさにカッペに陥る瞬間です！


こういった間違った知識をメディアから植えつけられる前に
情報全てを鵜呑みにせず、自ら確かめた上で自分のモノにしていくことが
大切なことだと思う今日この頃でございます。