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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:イタリア生活
夏のような日射しの日曜日、フィレンツェは観光客でごった返していました。
ピアッツァではみんなサンダルで芝生に寝転がって日光浴。 一年のうちで一番気持ちのいい季節を迎えているイタリアです。 先日夫の同僚のモニカの家に夕食に招かれて 彼氏や御両親ともご対面した後 今度の日曜日は私が出演する演劇があるから来てね!と言われていました。 日曜日の夫のシフトは、朝から午後3時まで。 演劇開始時間は4時過ぎ。 一番疲れている時間なので今までは何度もお断りしていたのですが 今回ばかりは来ないと怒るわよ~!とモニカにけしかけられ 職場のみんなで連れ立って劇場へ向かうことに。 イタリアでは、職場によるとは思いますが 同僚の彼女も妻も両親もひっくるめての付き合いが当たり前だったりします。 もちろん私も夫の同僚とは殆ど顔見知りで 今まで全く関係のなかった同僚の彼女とお友達になっていたりします。 みんな年齢が近いこともあって、付き合いやすいのかもしれません。 夫の職場前でみんなで待ち合わせ。 仕事上がりで皆さんお疲れのご様子でしたがワラワラと集まってきました。 そんな中で私服に着替えたアンジェラは 胸元の大きく開いたサマーニットを着ていて そこに3分の2ほどあらわになった胸を揺らしながら私に挨拶してきました。 もちろん夫の目もソコに釘付け。 私「ねぇ、見た見た?」 夫「見た~!すごい露出だね!」 まだ仕事を続けなければいけないルーチョも アンジェラの今日の私服を出口でチラリと見たらしく 私達のところまでヒョッコリ出てきて おもむろに胸ポケットから小さな老眼鏡を出してスタンバイ。 ルーチョ「いや~、アンジェラ、今日のキミはなんてステキなんだ!」 アンジェラ「ありがと。」 夫「ねぇねぇ、凝視してもいいかな?」 と私に聞いてくる夫。 私「もちろん。コレは私も一緒に拝ませてもらうわ。」 夫「アンジェラ、妻から許可ももらったよ。 みんな今日はキミの胸元に釘付けだよ。」 ムッツリで盗み見するよりも、堂々と拝ませてもらったほうがいいですよね! だってアンジェラは見て!と言わんばかりに露出させているのですから。 しかし、ナチュラルな胸は美しいですな。 イタリアのテレビに出てくる女性は みんな叶姉妹バリに豊胸手術を施したシリコン胸の人ばかりで あまりの胸のデカさにギョッとすることはあっても こういうふうに自然な美しさに目を細めるってことは少なかった気がします。 夏が近づくにつれ、こういったキレイなお姉さんが街を徘徊し始めますよ。 イタリア人男性の視線は、素直に脚やらお尻やら、美しいものに釘付けになり その女性が通り過ぎて行くと同時に彼もジ~ッと視線釘付けのまま後ろを振り返るという 全く動物的反射としか思えないような動きをし始めます。 私はそれを観察するのがスキです。 長年の観察の結果、いくらキレイな彼女と一緒に歩いている男性でも 他の女性に釘付けになると一瞬振り返ってしまうようです。 男って、オトコって....。 さて、劇場に到着。そこは地元の教会付属の庶民的なテアトロでした。 中に入ると地元の爺さん婆さん、子供達を連れた家族で一杯。 私達の席はモニカの御両親によって確保されていて 前から2列目にみんなで陣取り幕開けを待ちました。 ストーリーは、あらゆる病気を一気に背負い込んだ病んだ父親を取り囲む1家族の日常で モニカは娘役を演じていました。 舞台の背景はお家のサロンで、ソファ裏の棚一杯に薬の箱がひしめいています。 お父さんはココロまで病んでいるかのように ココが痛い、アソコが痛い、 数分於きに妻を大声で呼んでは あの薬を用意してくれ~、コレに効く薬を数滴水に薄めて用意してくれ~! そこに、疲れきった妻が登場しては、ハイハイと薬を用意してあげちゃう。 オレが死んだら...って話をいつものようにしていると 娘役のモニカが婚約者をお父さんに紹介したいと連れてきて その彼は葬儀屋に勤めていると言うと父親は目を輝かせて 「見積もりを立ててくれ!」と御機嫌に婚約者を受け入れ 葬儀屋の彼は棺の木材の種類別値段を嬉しそうに説明するという...。 1幕目をドッと笑わせて終えるとすぐに 籠を持ったオバサンが客席をまわってきてみんなに寄付を求めるというシステム。 大体ひとり当たり5ユーロ札をポンと投げていました。 3幕目、お父さんはなんでも直してしまうという占い師を紹介され 「アナタは病んでなんかいません。」と言われると まるで何事もなかったかのように突然ピンピンに元気になってしまったのですが... (病人って「病気でいたい人」が多かったりしますよね) お父さんは突然元気になって家族を混乱させた後に 最終的にはまた病んだ生活が恋しくてゲホゴホ咳き込み始めて幕は閉じました。 薬漬けの現代社会を風刺した、とても面白い演目で笑わせてもらえました。 モニカはこれを毎週末練習して月1回の出演に備えるそうです。 1ヶ月でこのレベルまで完成させるなんてすごい集中力だと思います。 劇場を出てみんなでベラベラ話していると モニカのお父さんは「揉み手」をしながら視線が一点に集中していました。 視線の先は、アンジェラのオッパイでした。 彼の顔はニンマリとして、揉み手は無意識のうちに繰り返され止まる気配はありませんでした。 モニカの両親と別れた後、夫の同僚達は一斉に 「ねぇ、モニカのパパ見た?ずっと揉み手してたよね!?」 とゲラゲラとネタにしておりました。 みんな近所のモニカ宅でピッツァを食べて帰るというのですが 私と夫は、ちょっと疲れたからとお先に退散。 私は家に着くと、もの凄く疲れていることが発覚。 なんと役者さん達だか観客にだかわかりませんがエネルギーを吸い取られてしまったらしい...。 オペラとかと違って「演劇」って直球でステージと客席でエネルギー交換がされる場所ですよね。 最近演劇なんか観慣れていなかった私は その猛烈なエネルギー交換に付いていけなかった様子。 あらためて、役者さんの発する爆発的エネルギーに感心するとともに バタンキュ~とベッドで眠りこけてしまったDeliziaでございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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