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テーマ:●食べた物の画像♪(86574)
カテゴリ:イタリアの「食」・旨い話
ポッと予定が空いたある日
やっとのことで妹をリストランテに誘うチャンスがやってきた。 この日を逃したらたぶん、このまま行けず仕舞いとなりそうなので 本当に久しぶりに、私の研修していたリストランテへ。 懐かしいシェフ達に挨拶して、みんな相変わらずでホッとする。 ただ一番若手のM君の姿は見当たらず。 大忙しの厨房で長話もままならなかったので早々退散、席につく。 料理を待つうちにお客さんがどんどん入ってきて みるみる満席になってしまっていた。 さてさて、やってきました、私達のお皿。 キャンドルライトで危うい写真ですが... アンティパストはペコリーノのタルト スカローニョを甘~くソテーしたソースでいただくと美味。 タコと黒キャベツのチェスティーノ入り。 タコのエキスをたっぷり吸いながらソテーしたカーヴォロネーロに唸る。 サックリとした生地の籠をかち割りながら一緒にいただきます。 私と妹は4歳違いで、オトナになってから一緒に遊ぶ機会があまりなかった。 妹がまだ猛勉強している時に、私は実家を離れて働き始め 私のイタリア行きが決まったころ、妹が働きだして...。 もし私がイタリアに飛ばなければ 一緒に買い物したり、美味しいもの食べに行ったり 旅行に行けたりしたのにね...と 今頃離れていた時間を惜しむように、ここフィレンツェで戯れている。 プリモに突入。 カリフラワーとお魚のタリアテッレ。 お魚の名前はド忘れしましたが。 ちょこんと上にのっていた小さな魚のフライを一口食べただけで その濃厚な魚の味にビックリさせられる。 全てが魚の旨味をギュッと吸い込んでいて美味。 鴨のラグーのラザニア。 グツグツ煮込まれた濃厚なお味のラグーはまるで肉味噌のよう。 散らされたオレンジの香りが爽やかで心地よい。 お料理は私達のお喋りとともに ゆっくりゆっくり運ばれてきて、プリモをいただいたら もうお腹がいっぱいになってしまった。 私は最初6ヶ月の滞在予定でイタリアに来たのに 予想外の展開でこんなに長居してしまっている。 同じように妹も仕事を辞めてひと休みしに来てくれたのが何より嬉しい。 一度日本を離れて、遠いどこかから日本を客観的に見つめたり 自分自身を見つめてあげたりする時間は本当に貴重だから。 さてさて、ドルチェ。 妹はブロンテ産ピスタチオのムースをチョイス。 さすがプロンテ産ってお味。 私はマスカルポーネのトルタ、カプチーノ添えを頼んでみる。 ジュワッと濃厚に温かくてショッキングなお味。 カプチーノは、薄~いチョコレートでできたカップに 本当にカフェとスキューマが入ってカプチーノだったのでビックリ。 やっぱり、たまにはリストランテもいいね。 私がここに研修に来ていた頃 若手料理人M君が、ここ最近太ってしまったと 若者にはありえないお腹をたたいて私に 「キミ、栄養士なんでしょ、ボクの栄養管理できる?」 と聞いてきた。 その時、私は日本の食生活での栄養計算はできても ここイタリアでイタリア人の食生活に説得力のあるアドバイスなど 何もできないことに気づいてガッカリしたのを覚えている。 実はこのM君の一言が、私の大学行きに繋がったのだ。 日本から脱出してみて、自分の無力さに気がついて 料理学校から研修に放り出されて、また自分の無知を思い知らされ... でもこうやって少しずつ自分を知りながら 自分の行きたい方向を定めながら それに見合うレベルに辿りつけるよう毎日を過ごせたらいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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