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だだっ広い荒野に敷設された道を、マット・デイモンと友人(ケイシー・アフレック)を乗せた一台の車が緩慢な速度で走り抜ける。やがてあるポイントへやってくると二人は車を降りて、低い潅木が群生するあたりをすり抜けながら、埃っぽい岐路を軽快な足取りで先へと進んで行った。観光で訪れる客を別に、おおよそ不釣合いな軽装に何も持ち物を持たない二人の存在を除けば、そこは岩山と砂とでこぼこしたもろい石で散りばめられた不毛の荒涼地帯であり、矮小な生命をあざ笑うような枯れた大自然が眼前に広がっているだけであった。気持ちの高揚から悪戯に道を外れたのも束の間、次第に冷静になると、元来た路を引き返して合流地点の往路へ出ようと道順をたどるが一向に戻る気配がない。彼らは余裕を繕いなおも足取りを緩めずに先へ行くが、あたりは一層厳しい傾斜のある岩肌の隆起する悪路に変わり、焦がすように照りつける残光と夜は暖を取らずにいられぬ冷気が二人の体を蝕んでいく。彼らは完全に迷ったのだ…
息苦しくなるくらい1カットが長い。二人の長い沈黙と、足を運ぶ際の歩調にそれぞれの思惑があり、そして背景に聳える大自然は常に美しく無情である。なんと孤独で長く険しい路なのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/26 09:17:48 AM
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