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カテゴリ:マラカイボ湖
ハイネ詩集 「長芋の思い」 より
「何故私はこのような身の上に 天を恨んでも仕方がないが私は誰を恨めばよい 中学のとき クラスで一人100点を取ったとき そのときのあの栄光は 今何処に 陸上部の希望とも言われ 体育の先生には気に入られ 昔は我こそ郷里一の美男子と思い 雑誌に誇らしげな顔を並べる男達の髪形を真似る 中学の終わり 山の木々に赤が混じる頃 そこそこの彼女と付き合って 身の程も知らずに将来を誓った あのときは彼女こそ絶世の美女 嗚呼しかし わたしは次の桜が散った頃 いとも簡単に別れたのだ 今となっては悔やまれるが またよく見れば 醜く見える 母は保護者の代表として卒業式で演説をし 祖母は郷里の役人とも親しい舞踊の師範 兄も姉もよい大学を出て 体をいためながら金を稼いでいる しかしわたしは 昔嘲笑った 世に光を見出さぬ者と同じところにいる わが名家の恥となるまいか いや 我がこのような身の上とは天は間違っている 何故この私が 何がいけなかったか わたしとて勉学を頭に詰めこみ よい大学を出た 親の期待にはこたえた ならば何故私がこのように 嗚呼 天を恨まずして何を恨もう 思い返せば駅にて放屁を擦り付けられ 以来わたしは世を恨んで生きてきた 嗚呼 げに恐ろしきは放屁也」 と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.04 20:53:19
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