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2004年09月14日
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カテゴリ:トルコの現実
今日の日記はちょっと長めです。




トルコのエルドアン政権が、姦通(かんつう)を刑法罪にする法案を、
14日に開会する 国会に提出する方針を明らかにしたとのこと。



姦通・・・・ってのは不倫ってことね。





これはひと悶着ありそうですなあ・・。





現に


「姦通罪法案制定はイスラム教勢力に特権を与えているとの印象を与えかねない!」


とかなんとか・・・フェアホイゲン欧州委員(EU拡大担当)が、
最近トルコメディアで、 姦通罪法案を公然と批判したらしい。

13日付英紙フィナンシャル・タイムズによると、EUは既に、
1か月以内に同法案を取り下げるよう トルコに要請したという。
(法案に関する引用・「読売新聞」ネットより)




ご丁寧に読売新聞たら、

「◆姦通罪=イスラム教では聖典コーランの規定などに基づき、石打ち刑やむち打ちに処せられる。 」
という説明を付けている。





ってか、トルコが政教分離してから70年以上経つんですけど!
まるで石打ちやむち打ちが最近まであったような、しかも復活しちゃうような書き方、やめてくれませんか。







この法案は、イスラムとはなんの関係もなく






「不倫をされた配偶者が、訴えた場合に裁判が行われ、罰則が生じる」ってものなんですけど!




夫婦間の話し合いで済むなら、それでどうぞってものなんですけど!





だったら、日本も似たようなものだろうがっ!
日本だって、配偶者の不倫相手に賠償訴訟を起こすことができるやんけ!






・・・・まったく、日本の新聞記者の不勉強というか、ウラを取らないやり方というか、ひどいもんである。



いや、ほんと、トルコとかイスラム世界に関する知識とかって、
「本気でこれを書いてるのか?」と思うことしばしばである。
マスコミは、信用ならないことこの上ない。




そして、この問題のなにが問題って、フェアホイゲン欧州委員の「煽り」に対する弱さである。


どういうことかと言うと、この法案に関してフェアホイゲン欧州委員は、
あらかじめトルコの外務大臣から説明を受けていた。



その時には、なんの問題もなかったのである。



それがトルコメディアとの会見の時、トルコメディアは執拗にこの法案に関する質問を繰り返した。
「こんな法案があるが、おかしいとは思わないか」と。



最初はその質問に対して、特に否定的な意見は言わなかったフェアホイゲン欧州委員、
最後の最後に上のコメントを出した。



煽られて。



簡単に煽られちゃうんですね。EUのお偉いさんって。その調子でクルド問題も煽られてきたのかな?







トルコのメディアは、アメリカと同じ「ある民族」が牛耳っている。
今までも政権がちょっとでもイスラムの香りをさせると、叩きに叩いてきた。



今まで、なんの文句のつけ所もなかったエルドゥアン政権。やっと叩く材料が見つかって大喜びなのだ。







エルドゥアン首相、メディアに対して思いっきり不快感を示している。当たり前だ。
「普通に国を愛してる人間のすることとは思えない。」





EUはトルコがEUへの加入希望を表明した、ずっと後に加入を希望した東欧をどんどんEUへと加入させている。

トルコへは「ここがよくない。あれもよくない」と次から次へと、制度や法律の改正を求めてきた。



細かい重箱のスミをつつくような因縁を、トルコに対して突き付けている。




クルド問題が解決すると、今度は「キプロス」。




ギリシャとの領有権を争っているキプロスだけど、トルコはこの問題も積極的に解決しようとしている。



てか、長年ギリシャが「トルコのせいで解決できない!」と言ってたのが、
キプロス統合への住民投票の結果、トルコ側は賛成多数だったのに対し、





ギリシャ側が反対多数だった為に、キプロス統合にはいたらなかったわけで、


結局ギリシャのせいじゃん、って結果だったのだが。
それはスルーですか、そうですか。






東欧にくらべて、トルコの方が問題が大きいとは思えんのだけど・・。
ってか経済問題以外では、トルコよりEUの方が問題が深刻なような気がしてならん。




これまでEUは、トルコに対しては好き放題、言い放題して干渉を強めてきた。




「EU加入」を振りかざして。




上のフェアホイゲンおじさんの言ってることってただの「内政干渉」。
「イスラム勢力に特権」?
この程度の法案が特権ですか。


じゃあ、マリファナ合法のオランダは?EUには、売春を合法にしてる国もあるよね。
EUでは、配偶者の浮気というのは「離婚理由」とか、慰謝料のかさ増しの理由にはならないんだろうか。






昔、トルコは「女性のみの姦通罪」が存在した。
罪と言っても「石打ち」などではない。

この法律自体、ヨーロッパのものを丸写しした物なのだ。




どういうことかと言うと、トルコが共和国になった時、スイスなどの法律を混ぜてそのまんま使った、ということだ。

トルコ人の文化や生活習慣などは、全く反映されていない物なのだ。




そういう歴史的な事実をわかっているのか、読売。いや、日本のマスコミ。



まあ、法律をそれまで変えなかったということは、トルコの責任であろうし、
「女性のみ」ってところが「違憲」ってことで、1998年に撤廃されたけど。
これは良かったと思う。





ただ「男女平等に」適用するなら、
その法案を可決するかしないかは、トルコ国民の意志であって、
EUの出る幕じゃないんじゃないか。





私はこの法案は、(あくまでトルコ国民が望むならという前提でだけど)


あってもいいんじゃないか、と思う。罰則にもよるけど。







その理由の説明はまた明日(?)。









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最終更新日  2004年09月15日 02時06分11秒
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