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2006/02/02
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  並木路を抜けて


夕暮か 朝焼けか

目覚めて消えぬ 夢の様に独り目を開ければ

耳鳴りか 雨音か

窓越しに見る 景色は霧雨と霞の中


訪れ消え去る 今日の日も

眺めるだけの景色 何も触れず


まるで気にも留めず 見送る流れ増して

残る窓辺に 動かず


濡れた歩道光る 夜の底で

誰もいない道を 闇に向けて

何処へでも行けるさ その気になれば

並木路を抜けて 未だ見ぬ街へ


流れゆく街の灯に 手を振り去り行く姿を

重ねてとばせば 風も軽く吹き過ぐ 春の暮れ


流れゆくその儘 遠くただ幻を求めて


やがて太陽が 連れて来る季節が

疲れ褪せた 想い焦がす

そして目覚めれば 眩い光の中

揺れる窓辺にもたれて







  淋しき枝


風光り 雲ひとつ無い朝

酔い醒めて 影が落ちる

見上げるばかりの 空を渡って

穏やかな今日 飛び立つ人よ

何処へでも行けばいいさ 気の向く儘に

遠く届かない処へ


月欠けて 路暗くなる夜

思い暮れて寂漠の中

陽溜る庭に 鳥は帰らず

淋しき枝に 花は散りゆく


薄ら明るい窓の向こう

翳る心に朝日が昇る


風光り 雲ひとつ無い朝

後ろ姿 遠ざかる儘

髪なびかせて 足取り軽く

流離う君に 南風吹く

何処へでも行けばいいさ 気の向く儘に

光在る限り見える 影を引連れて

遠く届かない処へ




前回に引き続き、同様の扱いの詩ふたつ。

お粗末さまさま。






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最終更新日  2006/02/02 11:49:48 PM
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