山奥の少女「廃人」
久しぶりにツレから こんなメールが届きました。*****************************************************************残業ばっかりのＤに息抜きをプレゼント☆昔 流行ったチェーンメールやけど ヒマになったら検証してみろっ！！「ハイジのブランコは時速68km！」アルプスの少女ハイジのブランコを覚えているか、と友人に尋ねられた。オープニングの歌に合わせて、ハイジが異様に長いブランコをこいでいたというのだ。言われてみればそんな気も・・・。そこで筆者はビデオ屋に走った。確かに長いブランコだ。画面で測定したところ、前方の空中で一瞬停止してから後方で止まるまで、6秒もかかっている。通常の振子運動では、ロープの重さを無視して計算するが、それに当てはめると、長さは36m。これは長い！身長40mのウルトラマンに迫らんとする勢いだ。だがこの場合、ロープの重さを無視していいのだろうか？そこで今度は東急ハンズに走った。買ってきたのは、直径16mmの麻ロープ。ブランコとしては手頃な太さだ。1mの重さは170g。片方36mなら、結び目を入れても13kgだ。これに対して、10歳の日本人女子の平均体重は37kg。やや太めのヨーロッパ人であることを考えて、ハイジの体重は40kg前後と見られる。13kgのロープの端に40kgのオモリをつけた振り子の周期は14秒。画面上の周期12秒に合わせて計算すると、ハイジのブランコの長さは27mとなる。それでもブランコとしては異例の長さであり、落差も大きい。最も低い地点では相当のスピードが出るはずだ。画面を静止させて測ってみたら、最も高く上がった地点で垂直方向からの角度は70度もあった。こぎ過ぎである。落差18m。最高速度は、6階の窓から飛び降りたのと同じ、時速68kmに達する。これはコワイ！ディズニーランドのジェットコースター・スペースマウンテンでさえ最高時速50kmだ。しかもシートベルトもなんにもなく、頼りになるのはシリの下の狭い横板と両腕だけ。シャトルループなどでもそうだが、特に後ろ向きに振られるときは心臓が点になるほど恐ろしいはずだ。さらによく見ると、足もとのはるか下界を教会の尖塔が行ったり来たりしている。どうやら100mぐらい上空で遊んでいるようなのだ。歌の中で「口笛はなぜー遠くまで聞こえるの」などという素朴な疑問を漏らしているがそりゃアンタがそんなに高いところにいるからだ！音は全方位ドーム状に広がっていく。ヒバリやトンビの声がよく聞こえるように、障害物のない上空では地上より音が伝わりやすいのである。上空における時速68kmの振り子運動。常人ならとても耐えられないが、ハイジは天真爛漫に笑っている。恐るべき精神力だが、それより気になるのは、いったいどうやってこんなブランコに乗ったのかということだ。歌に「教えてー、アルムのモミの木よ」という一節がある。ハイジの生活圏内に、有名な大木があるらしい。ブランコの設置場所として考えられるのはここだけだ。現在、世界最大とされているカリフォルニアのセコイアスギでさえ高さは110m。ハイジのブランコの木は地上127mに横枝を張っているのだから、楽勝で世界一だ。ブランコに乗りたくなると、ハイジはこの世界遺産級の巨木にアタックをかける。127mの垂直登攀を達成し、間をおかずロープ伝いに27m降りる。続いて全身を躍動させ、ジェットコースターなみのスピードを満喫するのだ。遊びあきたら、むろん同じルートをたどって降りてこなければならない。往復308mの垂直昇降。10歳前後の小ムスメが、いつここまで体を鍛えたのだろうか？教えて、おじいさん！*****************************************************************読むのに疲れたんだけど･･･仕事もやっとヤマ場を脱した感じになってきたので 息抜きがてら考証してみました。まずハイジが27ｍのブランコを静止状態から70度までこぐのに必要なエネルギーを算出する。ただし、ロープの重量・ロープとハイジにかかる風圧を無視し一度こいだ高さまで慣性で再度あがることとして（27－27cos70）×9.8×40＝7kJ → ブランコの最高到達点でのハイジの持つエネルギーこのエネルギーは、7kJ＝7,000W･sということはこの時点のハイジは100Wの電球を70秒間≒1.2分間点灯することができる！（エネルギー変換率100％とする）ハイジが１，２３５人いたら２４時間電球つきっぱなし！そんなにいたらＤは失業するんだけど･･･まっそれはそれとして1kwh＝860kcalなので この時点で彼女は7÷3600×860＝1.7kcal のエネルギーを消費していることになる。大人の一日の消費カロリーは2,000kcalであり、ハイジクラスだと７０％として1,400kcal彼女は子供で しかも電気のない山奥に生息しているため、起きている時間は12時間程度と推測される。子供なので寝相が悪く、よく夢をみて疲れるため、寝ている時は起きている時の1/3のエネルギーを消費する。彼女が起きている時は１時間あたり1,400÷(1＋1/3)÷12＝87.5kcalのエネルギーを消費している。ブランコで消費するエネルギーは1.7÷87.5×60＝1.2minたった１分！？余裕やんうし。違う方面からいこう。「速度６８km/h」Ｅ＝1/2ｍＶ2＋ｍｇｈブランコの最高到達点：Ｖ＝０→Ｅ＝ｍｇｈブランコの最下点では：ｈ＝０→Ｅ＝1/2ｍＶ2∴ｍｇｈ＝1/2ｍＶ2→Ｖ＝√（2×40×9.8×18÷（1/2×40））×602≒68km/hあってるなぁ・・・「ハイジにかかるＧ」6秒間で68km/hまで加速している。6÷602×1,000÷6÷9.8＝0.32Ｇハイジ余裕！これではどう？「ハイジはどうやってブランコに乗り そして降りるか」たとえ130ｍのブランコであろうと 成層圏内にブランコの頂点がある限り以下の方法で可能である。１．気球に乗りブランコの頂点に到達する。２．ブランコの頂点に気球をくくりつけブランコのロープにつたって降りる。３．ブランコで遊ぶ。４．ブランコのロープをはいあがる。５．ブランコの頂点の気球に乗り、地上へ降りる。可能やんんぢゃ こーゆーのはどう？「ハイジはロープを使って昇降できるか」ハイジが高所恐怖症でない限り、前記１．３．５．については特に問題はないと思われる。問題は２．４．である。２．４．に必要なエネルギーを前出の方法で算出すると27×9.8×40×2＝21kJ → ブランコ板に昇降するためにハイジが消費するエネルギー２～４の一連の動作で消費するエネルギーは 28kJ＝28,000W･sハイジは100Wの電球を4分40秒間点灯することができる！（エネルギー変換率100％）４ＬＤＫの家の場合 夫婦共働き＋子供２人家族とすると ＬＤＫ：6:30～8:30，17:30～21:30 子供部屋：16:00～22:00×2 夫婦寝室：21:00～24:00 残りの部屋：1H程度 ＷＣ・風呂他：2H程度 計24Hハイジ３０９人を飼い ブランコを我慢させていれば１日分の電灯をまかなえる。しかし、床面積40坪：132平方メートル、有効居住空間70％としハイジ直立不動時の必要面積を0.1平方メートルとすると居住空間の約1/3(畳9畳半)をハイジが「気をつけ！」の状態で占拠していることになる。非常にうっとーしい。しかも彼女は子供。そして田舎の子であるがゆえ じっとしていない。しかしだ！１回のブランコで彼女が消費するエネルギーは28÷3600×860＝6.7kcal彼女が起きている時に消費するエネルギーは87.5kcalであるので6.7÷87.5×60＝4.6minとゆ～ことは、１日８時間労働として4.6×309÷60÷24÷（8/24）＝2.96ハイジは３人が３交代勤務でブランコを我慢すれば家庭の照明は安泰だ。でも いくら子供とはいえ タダでは仕事をしない。時給500円もやれば上等であろう。田舎の子やしね。１ヶ月の電灯代は 500×3×30＝45,000円電気代 高っ！！それにプラスして食費がかかる。ゆえに ハイジブランコ発電作戦は経済面から却下。話がそれたなぁ･･･何か飽きてきた・・・ここまできたらついで！こーゆーのはどーだろう？「Ｆｌｙｉｎｇハイジ」～彼女はどこへ行くのか？～ブランコ最下点でハイジが手を離してしまった時の彼女の運命は？当然のごとく水平方向に68km/hの速度で飛び出してしまう。この場合 彼女の体重は関係ない（ブランコ板とお尻との摩擦や空気抵抗等を考慮しない）1/2×ｇ×ｔ２＝100(ｍ) ｔ＝4.52ｓＬ＝Ｖ０×ｔ ＝ 68÷3600×1000×4.52 ＝ 85.3ｍ彼女がブランコから手を離した場合水平８５ｍ 落差１００ｍの地面に４．５秒後に激突する。たぶん死ぬなぁ･･･まっ別にハイジは身内でもなんでもないしなぁ･･･もう飽きたのでヤメ！以上の検討結果より「アルプスの少女ハイジ」のオープニングは実現可能。しかも 無理無く。ただし 手を離せば死ぬ。以上おしまいＭよ！これで満足かぁ？
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