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結局険悪なムードを払拭できないままお父様の寮に戻ってきた僕たち。そうなんです、その日はお父様の寮に泊めてもらうことになっていたのです!その寮には部屋ごとの風呂のほかに大浴場がありました。そしてお父様は僕をその大浴場へと誘ってくれたのです。「おい、ハリー君、一緒に風呂に行こう」。
これはチャンスだ!きっと今までは娘がいたんで照れてたんだろう。二人きりになって僕がお父様の背中でも流してあげればきっと円満なムードが築けるはず!そう思った僕はすかさず「はい!ぜひ!」 お父様はさっさと用意をしてずんずん大浴場へ向かう。しかも無言。必死についていく僕。脱衣場でもお父様はさっさと服を脱いで浴場へ。「まずい、お父様のお背中を流すチャンスを失わないようにしなければ!」僕も急いで浴場に入り、お父様を探しました。 ところが浴場の戸を開けて呆然。洗い場に並んでいる背中はみんな中年の同じ形。どれがお父様なのか全然わからない!僕の背中流しスキンシップ計画が~!!しばらく並んでいる背中を凝視していたのですがついに分からず、僕の計画はあえなく失敗したのでありました・・・。 でも湯船に入ったらようやくお父様を見つけることができて、ウーフとどうやって知り合ったのかとか、共通の友人の話なんかをしました。この時からかな、徐々に普通に会話できるようになってきたのは。 古事記には、スサノオが娘スセリビメの恋人オオクニヌシに冷たくあたる場面があります。オオクニヌシを醜男(シコオ)と呼んだり、蛇・百足・蜂の室屋に寝かせたり、草原に追い込んで野原に火を払ったり。とにかく意地悪するんです。でもこれ、永遠の父親心理なのかもしれません。 ちなみに芥川竜之介「老いたる素戔鳴」では、素戔鳴(スサノオ)は最後は二人を祝福してくれます。ウーフのお父様も二人の結婚を快く受け入れてくれました。終わりよければすべてよし。上の話も今では笑い話ですね。めでたしめでたし。 (完) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.10.28 23:03:53
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