ブルージュ観光案内指南
ロシアのサンクトペテルブルグ、インドネシアのメナド、イエメン、ホンジェラス、ブータンなど、いつかは行くつもりの都市はあるが、私の中でベルギーのブルージュもその一つであった。それは、数年前、大阪の問屋街でたまたま買ったチョコレートに印刷されていたのがブルージュの風景で、「屋根のない美術館ブルージュ」と記載されていたにを見て、「よし、いつかここにいこう」と私の殺すリストではなく、死ぬまでに行くリストに加えられた都市でもあった。アムステルダムからベルギーのアントワープで乗り換えて、約3時間半でブルージュに到着。まず、駅構内の観光案内所で有料という地図観光ガイドを購入。有料とは憎たらしいなと思いながら、駅から2,30分歩いて中心の方に向かっていく。 港町として発展したブルージュは、その後、港町としての中心地をアントワープ、アムステルダムへとその地位を明け渡し、死都となっていく歴史を辿った。2000年に世界遺産に街が登録され、どうやら観光都市として再度やっと盛り上がっているようである。アムステルダムの邪悪さから一転、おとぎの国に来てしまった訳である。ベルギーの多くの都市は戦火で破壊されたし、工業化が早かったので、ブルージュほど中世の雰囲気を残している場所はないのである。 私の偏見から見ると、ベネチアのような観光都市の一員らしく、歩いている人のほとんどが観光客で、住んでいる人のほとんどが観光業に従事しているようなイメージがする。 早速、荷物を置いて、いつものように8時間散歩に出かけるのである。ベルフォート鐘楼。解説:この建物が、街の中心的建物であろうか。すれ違うのも大変な階段を400段近く登っていくと90メートル程度の鐘のある頂上付近に着く。90メートルというと、日本のマンションでいうと25階建て程度であり、これが13世紀頃から造り始められている訳である。特にフラフラしている私には、なかなか楽しい登山であった。ベルフォートから街全景。まあ、こういうのを見ると、日本も中は自由にしたらいいが、外観や色は規制したらいいのになあと思うのである。そうか、私は、5年前からこの風景を見たかったのだなと思う。ブルージュジュ州庁舎街の中心であるマルクト広場。解説:北と西には切妻屋根のレストラン、東はネオゴシックの州庁舎と郵便局、南側は鐘楼。何だろう、綺麗だな、おとぎの国だな、心地良いな、という快感と感想が頭の中を流れるのだが、誌的なものが浮かばない。それが、私の資質か。清潔で、物乞いも見当たらず・・・ディズニーランドの原型のようなものか。 ブルグ広場。解説:市庁舎がある広場で、マルクと広場から100メートルぐらいだが、こちらにはそんなに人が溢れているという感じがない寂寥感が良い。市庁舎、古文書館、裁判所、聖血礼拝堂に囲まれている。歴史歴史のヨーロッパ、古いものを大切にするという感覚は素晴らしいが、石が長持ちするといいながらも、1000年以上というと、そうでもないのである。法隆寺を見よ、木製も全然負けていないということを実感するのではなかろうか。明治維新以降なんだか、歴史認識がひん曲げられている気がする。 3匹の子豚、藁の家、木の家、レンガの家をそれぞれ造った子豚であるが、藁、木は崩れ、レンガの家に避難するといった物語だったと思うのだが、これってバカにしてないかと思うのである。レンガの家(=白人の家)が一番エライんだぞ、っと。聖母教会;解説、特になし。街には、3つ程度の塔があり、どこに迷おうとも、この3つのどれかの塔を目差せば迷うことのない便利なシステム。時間がある限り、道に迷うことに何の問題もないし、その多少の不安が楽しく、何某かの発見や出会いがあるのである。ただ、私の問題点は、人生においてもフラフラしていることだろうか。シモンスティン広場。解説なし。だいたい分かった。ブルージュジュ救世主大聖堂と運河(愛の運河)。解説なし。だいたい分かった。地名に愛がついているのは、結構恥ずかしい感覚があるのだが、ヨーロッパでは愛の定義が違うのだろう。愛は神(キリスト)である。それにしても、うさんくさい十字軍が持ち帰った聖血が祭られている。十字軍は免税になるから行ったり、病気で人口が減りすぎて、人口を増やす為に女を、労働力を得る為に子供をさらうために行ったのである。聖地奪還の士気のあった人々はどのくらいいたのであろうか。ちなみに大聖堂の下部はロマネスク、上部はゴシックである。聖地って面白い。こうやって途中から作り変えられるものや、例えばイスタンブールのように、イスラムモスクを教会に替えたり。教会の建つ前は、たいてい、その地域の土着的な聖地であったことも多いのである。磁場の力というものがあるのであろう。勿論、経済的な力もあるだろうが。ベギン会修道院。解説:世界遺産認定。現在はベネジクト派の修道女が暮らしているようだ。だいたい分かった。信号機には、自転車用もある。そういえば、オランダもある。そういえば、シーボルトはドイツ人である。しかし、日本はオランダとしか貿易していなかったので、オランダ人のふりをしていた。ある日、日本人から、おたくのくにの一番高い山は?と質問を受けてうっかり、ドイツの山の高さを答えたということだ。オランダに山なんかないちゅうに。ベルギーといえば、チョコレートのイメージが強いのであるが、朝早く散歩していると熱心に朝早くから店を開けているのはチョコレート屋ばかりである。不思議なものである。ちなみに、ベルギー王室御用達のチョコメーカーは、6社である。ゴディバ、ガレ、コード・ドール、メリー、ノイハウス、ウィッタメール。チョコレートを鼻血が出るまで食う私が、全制覇(量り売りだが)したことは、国家機密でもある。ベルギーといえば、ムール貝と白ビールというイメージが強いが、毎晩、ソレを食らう私は、観光客である。バケツにいっぱいのムール貝をバカほど食べ、ベルギービールでフラフラしている上に更にベロベロになっていくのである。ブルー十縦ベルギーといえば、ワッフルというイメージが強いが、チョコレート以外の甘いものはちょと苦手なのである。しかし、せっかくのベルギー、一度はワッフル食べなければベルギーに来た意味がないではないか!といいつつワッフルを食らう。でも、告白すると、フラフラしていると、甘いものが、死ぬほど旨いのである。というか、飯が悪党的に、いや、圧倒的に旨いのである。本能を取り戻すのである。馬です。ということで、富豪のブルージュは終わり。ちなみに唄松田聖子、作曲細野はるおみに「ブルージュの鐘」というのがある。私の中学校高校あたりの曲である。 ところで、私、どこか行く前に、その場所をネットで検索するとき、すぐに、「○○○(地名) 邪悪」って検索してしまうのは悪い癖かしら。