視察の続き
何を隠そう、すぐさま東京を去る予定であったが、折角早起きして、まだ午前中のまま東京を後にするのも何だかなあという気になって、財布を開けたら、1,000円札が1枚入っているのみであった。勿論、硬貨は300円ぐらいはあった。勿論、銀行に行けば、潤沢な資金が入っているはずだ。多分数百円。給与所得者の給料日前は大変厳しい。生き抜くだけで厳しいのである。 しかしながら、やせ我慢して、そろそろ、私も離宮購入を検討してもいい年頃になってきたので、参考までに浜離宮に見学することにした。勿論、お金が無いので、自家用ジェットで行かず、歩いて行ったのである。 簡単に紹介すると、昔から、徳川将軍家の鷹狩場で、一面の芦原であった。その後、六代将軍の時代に、この屋敷は将軍家のものとなり、名称も浜御殿と改められた。 以来、歴代将軍によって幾度かの造園、改修工事が行なわれ、十一代将軍家斉のときにほぼ現在の姿の庭園が完成したとうことである。 明治維新ののちは皇室の離宮となり、名前も浜離宮と呼ばれるようになった。その後、関東大震災や戦災によって、御茶屋など数々の建造物や樹木が損傷し、往時の面影はなくなったが、戦後すぐ、東京都に移転し、整備のうえ有料公開されるようになった。看板には「60歳からも有料になりました」と老後の財政を圧迫するようなことも書かれていた。150円だけどね。それに何故か、外国人彼氏を連れた若い日本人女の子が多く、わびさびを伝授しているのを目にする。 私は、離宮を買う前に、宮殿を先に買わなければならないと痛感した、というより、まずは寝泊りできる自分の家を買わなければならないのかも、なんてエグゼクティブにも考えてしまった。 公園の向こうには、ビル群がそびえ、なかなかその対照が愉快である。NYセントラルパークの方が、その対照は面白いのだけど。向こうの巨大なビルは電通本社、そりゃ儲かってウハウハを体現したビルである。モウボク、耐えられないよ・・・ ところで、東京タワーは歩いても上ることができる。歩いて上れば、料金が、なんと!同じ・・・一応、ノートもらえるよ。入口では、寒空の中、一人学生のようなアルバイト君が受付を行い、商品を渡している。上まで歩けば、完走記念品までくれるオマケ付だが、別にいらないよ・・・鉄骨階段はどこまでも続くーよ。真下から見たらこんな感じ。階段を上る決意に武者震いする。ばっちり、看板写しました。子供は怖いもの知らずだ。世間を知って怖いものを知って、大きくなるんだなあ。私もラビット人生で何とかここまでくることができたよ。バッドデザイン賞