大人の輪転機(印刷)工場見学
大人は工場見学に行くのである。大人だからである。従業員の方々が笑顔で迎えてくれ「こんにちはー」と皆が挨拶してくれて、何故か清々しい、一瞬、「今日は見学者が来るからな、オマイらも笑顔絶やさず、声掛けし、かつ職人根性みしたれや」と事前に社長から激が入ったのではないかと心配するくらいである。まずは、ロールからである、70キロとか90きろとかいう紙厚の話が出来て、1ロールA2で6万枚刷れますとのことであった。まずは出来上がったカラー原稿を元に4色の刷版を作るとのことであった。入稿から3,4時間はかかるということである。いよいよロールセットである。巨大トイレットペーパーであり、人間で運ぶのは厳しすぎる。印刷されていくものを見ながら微調整するのである。微調整の機会がまるでシンセサイザーのようで、従業員が出来栄えのチラシを細かく見ながら色を微調整するすがたが、アーチストのようである。音が煩くて音楽が聞こえないのである。ぐんぐん、調子が上がってくるのである。しかし、途中でメルトダウン、だいたい調子があがってくるのは1,2万部刷ってからだそうで、だいたい1万部ぐらいのロスはするもののようだ。しかし、草々に紙が切れてしまって機械が止まったのは、見学者についついいいところを早く見せてあげようと、速度を早めに上げすぎてしまったから、ということであった。言い訳としたとしても、いい言い訳である。裁断の速度は速すぎて見えないのである、マッハの世界である、うそ。あつあつのところを通るので、冷やす、みたいな感じである。チラシ軍団が流れてくるのである。巨大タマネギを積んでフォークリフトがやってくるのである。刷った枚数を数えるカウンターがスゲエ早いのである。250部は1分もかからないのである。250部ずつ反対向きに積み上げていく。1000ぶになれば、ぐるりと回して1セットとするのである。それをパレットの上に載せて、出来上がっていくのだ。輪転が回るのは、昔、テレビや漫画で見た。例えば、この新聞紙を刷る輪転機が回る上に、ミスターX交通事故死」とかタイガーマスクで見たり。ドラマでも「三億円事件時効」とか。工場見学、イイネ。バイトで工場で働いていると、自分も機械の一部になって思考停止して気分良くなるんだけどね。そんな誘惑にどうやって打ち勝っていくのか・・・。溺れてはいけないんだ。強ければそれでいいんだ。