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自称起業家の読書日記

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2005年11月27日
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カテゴリ:セミナー・講演会
11月10日に東京大学大学院薬学研究科主催の公開講座「医療経営学概論」にて、エスエス製薬社長の羽鳥成一郎氏が講演された。
会社の顔である社長の存在が、いかに重要か、実感した講演会であった。
本社を医薬品業界の街、日本橋から赤坂に移転し、「ディスカウン市場でブランド構築は可能か?」という命題に立ち向かう同社に注目したい。

<講演メモ>
○羽鳥社長の略歴
エイボン18年、ロレアル5年の世界的な化粧品会社でマーケティングを担当し、ベーリンガーからエスエス製薬の社長に就任。

○エスエス製薬の歴史
240年の歴史を持ち、社名のエスエスは「サイエンス」と「ソサイエティ」の頭文字。
2000年に独ベーリンガー・インゲルハイム(世界13位)のTOBにより傘下に入り、2005年3月に医療用事業を久光製薬に譲渡。4月より一般大衆医薬(OTC)専門メーカーとなる。OTC市場では大正、武田に次ぎ、業界3位。

○エスエス製薬の逆風
・メーカーより小売の方が売上が大きい
・量販店の売上が増え、M&Aでさらに巨大化(将来は4つのグループに集約される)
 →年商/マツモトキヨシ3000億円、サンドラッグ1539億円、CFS1449億円
 →ロレアルは1つの百貨店の化粧品売上の20%を占めていたので、テナント料を払わなくても百貨店から出店依頼があった。
・コンビニとの戦い
・プライベートブランドの台頭(小売にとって利益率が高い)
・トクホ、健康食品の急成長
・消費者の価値観の変化
・オーバーストア化による競争激化
・ディスカウント
・そして、独自店舗を持たないエスエス製薬

○ヘルスケア市場
2004年/2兆6千億円(近年6年間で35%の成長)→2010年/5町3千億円
ちなみに化粧品市場は1兆3千億円、トイレタリー市場は1兆円

○OTC市場の特徴と環境変化
・OTCは医療用医薬に対し、膨大な広告宣伝費が必要な為、利益率が低い
・進む規制緩和
 →1999年300品目、2004年371品目の販売に対し薬剤師が不要
・人生90年時代に突入(高齢者の8割が健康に気を付けている)
・セルフメディケーションへの関心高まり
 →2003年22.1%、2004年53.3%、2005年70%

○ブランド構築の必要性
・なぜブランドが必要か?
→ファンが付くから。ブランドを持つ事によりロイヤル・カスタマーが付く(ルイビトンの売上の35%が日本市場)
・どのようにブランドを作るか?
 →誰にサービスをしなければならないか(ビジネス・ドメイン)を明確にする
 →顧客とのコンタクトポイントは何処か?そこにどういうサービスを提供できるか?
・新規顧客のリクルートコストは高い
 →2%リピートすれば10%コストが下がり、5%リピートすれば20-85%ダウンする
・ボンディングにつながる(顧客から信者に変身)
・ブランド構築には限定流通(セグメンテーション)が必要

○顧客マネジメント戦略の手法
・ユーザークラブ制度
 →ランコムのプラチナカード所有の顧客には、わざと他の客の前で特別対応をする
・定期マガジンの送付
・優良顧客限定イベントの開催
・マイレージ導入
・優良顧客専用窓口の設置
・サンプリング「お客様モニター」により、顧客が商品企画に参加
・顧客データベースの構築、分析

○エスエス製薬の戦略変更と今後
・OTC市場でブランドを構築し、チャンピョンを目指す
 →本社を赤坂に移転し1階にシュールーム設置
 →黒木瞳を通してブランドを伝える(世代別女性誌に広告掲載)
 →良い店・高級な店を販売ルートに選ぶ
・全ての人々に→女性にのみターゲットを絞る(「ルル」は母親が購入する)
 →情勢が求めているのは「美」、それは健康があってこそ
 →「ハイチオールC」は美白効果市場でシェアー60%
・マーケティング部署の中に新商品開発課を設置
・顧客がコンサルテーションを求めているのは間違いない
 →薬剤師、栄養士、美容師の知識を持ったヘルスアドバイザーが必要





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最終更新日  2012年04月10日 15時01分39秒
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