『クジラの子らは砂上に歌う』 1~8巻
『クジラの子らは砂上に歌う』 1~8巻作者:梅田阿比砂だらけの世界を「泥クジラ」と呼ばれる船で生きる人たちの群像劇です。彼らは船以外の人と会うこともなく閉じた世界で暮らしているのですが素直でやさしく、ノアの箱舟的な楽園?らしさがあります。しかし、「泥クジラ」の住人ではない感情の無い少女リコスとの出会いそしてリコスの住む国からの理不尽な暴力に晒され大きく話が動いていきます。「泥クジラ」の正体。そしてそこに住む人々。「印」と呼ばれる短命ながらも超能力を使うことができる人々。力を持たない「無印」と呼ばれる統治者たちの秘密が徐々に明かされ彼らは生き残る道を必死に探しています。背景、小道具、キャラクターが違和感なくその世界を描写していて砂だらけの世界に引っ張り込まれますね。多数のキャラクターの描写もしっかり掘り下げていってくれるのでこれは誰だっけ?という事もありません。大きなシナリオの合間のエピソードの選択も見事だと思います。というわけでオリジナル?ファンタジー好きにはたまらないと思います!田村由美さんの『BASARA』なみか…!8巻ではまた次のステージへとつながった感じで、これからも波乱に満ちた旅が続きそうですね。早く続きを読みたい!