シリーズ3作目(長・短編等56作品中)にあたる
モーリス・ルブランの「リュパンの冒険」
(Arsene Lupin,1908)
を読んだ。
2作目の
「リュパン対ホームズ」(日記は
→こちらから)に続きこれも ??? が残る作品である。
こうなるだろうなあ,と思った通りの展開で進んでいき,しかも,後半ルパンが危機に陥るのだが,その理由というか流れがよくわからない(無理して危機に陥らせている感じ,笑)。
そのうえで,無事逃げ出しているし,しかも,ソーニアという恋をした相手から告白されて,これ以降盗みなんて「夢にもしない」という結末で終わっている。
「今後おもしろくなる」という「情報」と
「カリオストロ伯爵夫人」(日記は
→こちらから)を読んでいなければ,シリーズを読むのをやめてしまいたくなるような作品なのだが,中島河太郎の解説によると,フランスで上演された4幕物を英文の小説として刊行したもので,脚本もノベライズもルブラン単独ではなく合作ということなので,まあそんなものかなあと思う余地はある。
番外編として読むべきだったのだろう。さらにいえば,
読む必要もなかったのかもしれない(笑)
こんな本でも,多少の情報はあって(のちの作品と辻褄があうかどうかは不明だが),事件が起こったのは,1905,6年でルパンは28歳。
ヴィクトアールという乳母に育てられ,彼女によると7歳のリュパンはすでに盗みを覚えていて,「また,女のひとができたのですの」といわれる程度の女性遍歴はあるようだ。
また,パリ警視庁の古参の名探偵ジャン・ゲルシャールも登場し,リュパンをとらえようとしているのはガニマールだけでないこともわかった。
モーリス・ルブランの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (モーリス・ルブラン)からごらんください。
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