今日は大好きな温泉シリーズ。
民主党の圧勝以来その公約により
八つ場ダム問題に再び大きく揺れている
『川原湯温泉』をご紹介します。
群馬県吾妻郡長野原町川原湯
私が初めて『川原湯温泉』を訪れたのはまだ2年前のことです。
それまでも存在は知っていましたし、草津へ行く途中には
入り口の歓迎看板の前を幾度と無く通った事もありましたが
寂れた温泉地と言うイメージしか湧かず足を向ける事はありませんでした。
ところが、群馬温泉巡りを始めて
川原湯温泉の自然美の豊かさ、豊富な湯量、
日によって変わる湯花の質などに魅了され
初訪問からこの2年の間に3回ほど訪れました。
川原湯神社
この神社はたいそう新しそうに見えますが・・はい新しいのです。
以前の本殿は約200年前に建てられたという
萱葺き屋根の歴史の古い建物でしたが
2001年に焚き火の不始末から焼失
こちらは1年後に再建された物です。
この場所は、ダムには沈まぬ位置にあります。
神社の入り口には、ダムに沈む温泉の代わりに掘った新源泉が。
源泉温度が80度と高く、温泉卵が誰でも自由に作れます。
長い棒の付いた篭がいくつも用意されているのです。
卵は持参してもよし、近くの商店で買うこともできます。(#^.^#)
硫黄の香りがして、とても美味しい温泉卵があっという間にできあがり~♪
こちらは、立ち寄り入浴もできる
『山木館』さん
夜になるとムササビのやってくる宿として有名です。
男性用露天は水車の湯、山の風景をのんびりと眺めながら
ゆったりと硫黄の香りのお湯を楽しめます。
温泉街の道路はこんな感じ・・。
住民の方の3分の一は、もう代替地に引っ越され閑散としています。
住民ばかりでなくすでにここでの営業を終えられ
代替地での新規開業の準備をなさっている旅館もあります。
赤い看板の『みよしや』さんはもうここでは営業されていません。
このまま、ダム問題がいつまでも決着がつかなかったら
旅館の方々の生活はどうなるのでしょうか・・。
日帰り入浴施設『王湯』です。
共同浴場ですが外来者歓迎の入浴施設です。
ここはちゃんと有人の受付があります。
入浴料300円 もちろん原泉かけ流し!
80度の熱~~~い湯が常時注ぎ込まれているので
水道の蛇口を閉めてはいけません。
あっという間に誰も入れない熱湯になってしますのです。
硫黄臭にかすかにアブラ臭の混じる素晴らしいお湯。
ここでも、卵が売っています。(#^.^#)
毎年1月20日の未明にはこの前で『湯かけ祭り』が行われます。
真冬の夜中に地元の男性が褌一丁で湯を掛け合う奇祭として
よくTVでも放映されるのでご存知の方もいらっしゃるのでは?
共同浴場『笹の湯』です。おっさんはうちの旦那です(ーー;)。
ここは本来地元の方専用の浴場ですが
ご好意により外来者も入浴でさせていただけます。
湯の花が大量に舞う素晴らしいお湯で
私は川原湯の中でここが一番好きです。
青いタイルがキラキラと輝く素敵な浴室。
屋根には湯気抜きも付いた昔ながらの湯殿です。
笹の湯は無人施設なので、外来入浴には300円の入浴料を料金箱に入れます。
川原湯温泉の宿泊者は旅館で入浴券をもらえば無料で入れます。
このお金は、施設の整備・修理代、消耗品の購入代金などに当てられます。
地元の方々が、交代の当番制でお掃除や管理をなさっているこの施設を
観光客がわずかな入浴料で使わせていただけるのは有難い事ですね。
この他高台に『聖天様の露天風呂』という、小さな混浴の露天風呂があるのですが
さすがにまだ入浴した事がありません^_^;。
いつ行っても男性の先客があるのと、脱衣所も無く
みんなの前で脱ぎ着しなければならないので、女性には相当難しいかと・・。
現在、ダムの問題で毎日話題になっている川原湯温泉。
でもどんな事で話題に上ろうとも、泉質においては群馬でも指折りです。
お近くにお越しの際はぜひ一度、足を伸ばしてみてください。
こんな素敵な温泉が、吾妻渓谷の自然美が、
ダムの底に沈んでしまうのは確かに残念です。
ダム建設の話しが持ち上がった50年前とは状況も変わり
本当にダムが必要なのか再検討の余地は確かにあるかもしれません。
でもその50年間、政治に翻弄され常に不安にさいなまれてきた
地元住民の方々のお気持ちを考えると、今回の突然の中止には憤りを感じます。
ダム建設を進めるにしても中止するにしても、地元の方々の生活を第一に考え
それぞれに課した負担に応じた補償と、安心して落ち着いた生活をおくれるよう
最大限の支援が得られますように。そう願ってやみません。
失われた時間はもう取り戻せないのですから・・。