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カテゴリ:今日のたわごと
子供の頃、夏休みの大半をここで過ごした。
両親は定期的に帰っているみたいだけれど、 私は祖父が亡くなってから疎遠になった。 中学から大学までの10年間、盆も正月も殆ど帰っていない。 久しぶりに会った祖母は随分弱っていた。 昔は煩い意地悪ババアだったのに、今じゃ見る影もない。 体だけでなく、心も弱っているようだった。 歳を重ねることは悲しいことではないけれど、 昔を覚えていることはときに悲しい。 田んぼ沿いの川で、よく沢蟹を取って遊んだっけ。 あの頃は、明日のことなんて考えもしなかった。 今この瞬間が楽しくて楽しくて、それどころじゃなかったんだ。 もう20年も前になるんだなぁ。 子供の頃は、「20年前は…」なんて言われてもピンと来なかった。 第一そんなこと言われたって、20年前なんてまだ生まれていない。 そう思っていたのに、今じゃしっかり20年前の記憶がある。 振り返るのにはまだ早いけれど、後先考えずに行動する歳でもない。 そんなことを考えながら、懐かしの川に行ってみた。 沢蟹発見!!! まだここで繁栄していたとは嬉しい限り。 童心に返り、がっつり捕まえてやろうかと思ったけれど、 一人で川に入って蟹なんか獲ってたら、 「見知らぬ変な女が川に!!」と通報されかねんなと踏み留まった。 今度、姪を連れて来て獲ってあげよう。 大した都会に住んでいるわけじゃないけれど、 少なくとも私の生活圏にこんな自然は残っていないから、 何もないど田舎がとても輝いて見える。 アスファルトの照り返しで熱を持った風は不快だけれど、 山や川や砂利道に囲まれたこの町では、自然の風が一番心地いい。 青い空には入道雲。 テレビでは高校野球。 土間を抜ける風に風鈴がゆれる。 ここにはまだ、夏があった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.14 15:12:12
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