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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:ティアーズマーク
玲子 再び朝食の準備を始めると、祖父が入ってくる 祖父 健三 72歳
健三 おはよう 玲子 お義父さん、おはようございます。何されてたんですか?
健三の首にかけられたタオルに気付いた玲子は尋ねた
健三 庭の草がちょっと伸びてきたモノだからね。 玲子 言って下されば、後でやっておきましたのに・・・。 健三 いやいや、何もしないとボケちゃうからね。 玲子 そんな・・・。何時頃、起きられたんですか? 健三 5時頃かな?いや~もう春だね、5時でも大分明るいよ。この間までは真っ暗だったのにねぇ。 玲子 そうですか、大分暖かくなってきましたものねぇ。 健三 いや、全く。・・・ん?今日はみんなパンかね? 玲子 ええ、朝くらいゆっくりとご飯食べれば良いと思うんですけどね・・・。でも、お父さんにはちゃんと、用意してますから。 健三 すまないね、私の為だけに手間かけさせてしまって・・・。 玲子 いえ、私も朝はご飯の方が良いので、自分の為ですよ。 健三 そういってもらえるとありがたいね・・・。 玲子 もうすぐ出来ますので、ちょっと待って下さいね。 健三 私は後からで良いから、構わないよ。
健三はそう言いながら、新聞を手に取り居間へと向かう
健三 眼鏡はどこに置いたっけかな・・・。 玲子 テレビの上にありましたよ。 健三 おおそうか、ありがとう。
玲子 でしょ?感謝の言葉ってのは必要なのよ、全く親子だってのに何であの人は、それが言えないのかしら・・・。
玲子、また独り言を言いながら料理を続ける
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Last updated
July 24, 2007 01:24:03 AM
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