|
テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:ティアーズマーク
玲子と健三が朝食を食べていると娘が起きてくる 娘 琴美 21歳
琴美 おはよう 玲子 おはよう。 健三 おはよう。今日は学校無いのか? 琴美 うん。今日は休み。 健三 そうか。 玲子 今日は出かけるの? 琴美 午後からバイト。 玲子 そう。 健三 そうだ、聞きたいコトがあったんだが。 琴美 何? 健三 琴美のトコの喫茶店で、コーヒーを頼むと小さい入れ物に入ってミルクが出てくるじゃないか? 琴美 うん。 健三 でも、あのミルクを全部使う奴はそういないよな。 琴美 まあ、そうだね。 健三 だろ?あれ全部使ったらコーヒーじゃなくてカフェオレってやつになっちまうからな。 琴美 あ、ホントだね。でもウチ、コーヒーもカフェオレも値段一緒だから大丈夫だよ。 健三 おお、そうなのか。ってことはお任せの分量でカフェオレを飲みたい奴はカフェオレを頼んで、自分でミルクの量を調節したい奴はコーヒーを頼めばいいってことだな。 琴美 うん。でも、コーヒーに付いてくるミルクを全部入れても、ウチのカフェオレにはならないの。 健三 なぜだ? 琴美 それにはミルクが少し足りないの。 健三 なるほど、上手く考えられてるな。 琴美 それに、ミルクも違うし。 健三 何!そうなのか? 琴美 カフェオレに使ってるのは牛乳なんだけど、コーヒーに付いてるのはミルクのようなモノなの。 健三 何だと! 琴美 見た目はミルクなんだけど、ミルクじゃないの。 健三 じゃあ何なんだ? 琴美 濃いミルク。 健三 ミルクじゃないか。 琴美 違うの、濃い~ミルク。 健三 ジャージー牛みたいなモンだろ? 琴美 違うの。人工的に作った超ジャージー牛乳みたいなモノ。 健三 良くわからん。つまりは濃縮牛乳だろ?コンデンスミルク。 琴美 知ってるんじゃん。 健三 俺は琴美より3倍以上生きてるんだぞ。知識も3倍以上だ。 琴美 忘れる速さも3倍以上だけどね。 健三 それを言ってくれるな。 琴美 じゃあ、何が聞きたいの? 健三 残ったミルクはどうするんだ? 琴美 使い切らずに残してったミルクってコト? 健三 そうだ。 琴美 捨てるよ。 健三 もったいない! 琴美 しょうがないじゃない。 健三 ちょっとも使わない奴だっているだろ! 琴美 だろうね。 健三 それでも捨てるのか! 琴美 うん。 健三 もったいない。それに非経済的だ。 琴美 そうでもないよ。コンデンスミルクは大きな容器に入って来るんだけど、それはリサイクルなの。で、ウチで小出しにしてる容器も洗浄してまた使うでしょ?ほら、ゴミ出ない! 健三 おお。本当だな。 琴美 おじいちゃんの3倍以上の知識にもまだまだ隙間がありそうね。 健三 そりゃそうさ。
笑う琴美と健三
玲子 不毛なお話はその位にして琴美もご飯食べなさい。 二人 不毛じゃない!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 24, 2007 01:26:35 AM
コメント(0) | コメントを書く
[ティアーズマーク] カテゴリの最新記事
|