健三、琴美 冷蔵庫周りを探し始める
茶箪笥は、健三がこの辺と指差したエリアからは微妙に外れている
琴美 でもさあ、大きさの目安が無いと探すって言ってもねえ。
健三 う~ん。そんなに小さいモノでは無いと思うんだ。多分、最低でも手のひらにギリギリ載るくらいのサイズ・・・。
琴美 多分とかそんなのばっかりじゃん、さっきから。
健三 しかたないだろ、そんなコト言ったって・・・。
二人、それぞれ探すが見つからない
そこで、冷蔵庫の中を琴美が探し出す
健三 冷蔵庫の中にはないぞ、きっと。
琴美 なんで?
健三 冷蔵庫を開けた気配は無かったからな。
琴美 そんなの気付かない内に入れたのかもしれないじゃない。
健三 まあ、確かにそうだが・・・。
琴美 冷蔵庫から何かを見つける
琴美 ん?
健三 何だ!
琴美 ・・・これは。
健三 うぉ!それは・・・・
健三 冷蔵庫から小瓶を取り出す
健三 これはっ・・・ごはんですよっ!ただの海苔の佃煮じゃねえかよ。
琴美 ただの、じゃない!この味付けは自分じゃできないでしょ!
健三 いや、そこに問題は・・・。
琴美 うるさい!「ごはんですよ」をただの海苔の佃煮と言ってる内は、おじいちゃんに未来はないわね。
健三 だから、今、探してるのさぁ~・・・。
琴美 それじゃないよ。
健三 え?
琴美 それじゃなくて、その裏にあるさあ・・・
健三 これはウニの瓶詰めだろ?
琴美 それ、ずっとそこに置いてない?
健三 ・・・確かに。
琴美 でも食卓に、ウニの瓶詰めが出てきた記憶は・・?
健三 無いな。
琴美 でしょ?
健三 開けてみろ。
琴美 私が?
健三 おまえが見つけたんだろ?
琴美 それが、私が開ける理由になるの?
健三 当然だというように頷く
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