その日の深夜1時
比較的静かに玄関の戸が開く気配がする
ダイニングのテーブルに玲子 座っている
健夫 入ってきて玲子に気付く
健夫 ただいま。
玲子 おかえりなさい、今日も随分遅かったのね。
健夫 ああ、最近ちょっと忙しくてな。
玲子 そうですか。ご飯は?
健夫 食べてきた。
玲子 そうですか。
健夫 どうせ作ってないんだろ?
玲子 ええ。
健夫 じゃあ、聞くなよ。寝るわ。
玲子 はい。
健夫 そう言い残し寝室へと向かう
玲子 寝室のドアが閉まるのを待って不気味に笑い出す
玲子 ようやくこの時がやってきたわね。
玲子 そう言うと茶箪笥から箱を取り出す
玲子 さてと。
玲子 箱をテーブルに置き、包丁を探す
玲子 あれ?包丁がない・・・何処に置いたっけ?えっと・・・料理に使って・・・あ、新聞まとめて縛った時、紐を切るのに使った気がする・・・ってコトは・・・外に出しっぱなし!
玲子 そう言って勝手口へと向かう
健三が入って来る
健三 いや、ちょっと喉が渇いてしまってね・・・って誰もいない。じゃあ何で電気が点いてるんだ?消しなさいよ、ちゃんと・・・。本当に誰もいないな・・・。あ~気になって眠れやしないよ。絶対違うんだよ、あんなへそくりに私は騙されませんよ。絶対、別の何かが・・・ん?
健三 テーブルの上の箱に気付く
健三 何だ?これ。
健三 そう言うと箱の包装紙を剥がし始める
全てを剥がして、いざ開けようとすると、階段を誰かが下りてくる気配がする
健三 やばい!
健三 とりあえず包装紙だけ持って、居間の方へ隠れる
琴美が入ってくる
琴美 いや~喉が渇いちゃって・・・って誰もいないじゃん。何で電気点いてるの?消してよ、ちゃんと・・・何コレ?
琴美 テーブルの上の箱に気付く