3人マンゴーを食べながら
玲子 ところで、なんで分かったの?偶然?
琴美 何が?
玲子 マンゴー。
琴美 おじいちゃん。
玲子 え?
健三 いや~すまん。
玲子 何で、分かったんですか?
健三 玲子さんの雰囲気で。
玲子 雰囲気?何か変でした?
健三 変って言うわけでは無いんだが・・・強いて言えばじじいの勘だな。
琴美 あなどれないわね、じじいの勘。
玲子 本当に。じゃあ、冷蔵庫拭いてたときから気付いてたんですか?
健三 まあ、薄々とな。
玲子 怖い。お義母さんも、浮気とか絶対できなかったでしょうね。
琴美 食べ物の時だけよ、レーダーが働くのは。
玲子 そんなことないですよねぇ?
健三 ・・・・
琴美 ほらね?
健三 いやはや、面目ない。晩御飯のメニューは帰る前から何となく分かるんだが、母さんの浮気は見抜けなかった・・・。
琴美 おばあちゃん、浮気してたの?
健三 ああ。
玲子 全く知りませんでしたわ。
健三 まだ、健夫が小学生くらいの頃だよ。
しばし3人 沈黙する
玲子 さ、夜も遅いし寝ましょう?
健三 そうだな。
3人立ち上がろうとすると、健夫が入ってくる
健夫 なんだ、まだ起きてるのか?
3人 え!?
健夫 なんだ、3人揃って・・・
健夫の目は完熟マンゴーに釘付けになっている
健三 いや、ほら、日本の将来について3人で、な?
琴美 そうそう。温暖化を利用して何か出来ないかってね?
玲子 そうです、そうです。冬でも泳げるわねって、ね?
2人 そうそう。
健夫 全く聞いてない
健夫 そ、それは・・・太陽のタマゴ!太陽のタマゴだろ?
玲子 ええ・・・。
健夫 俺、まだ食ったこと無かったんだよ!
琴美 そうよね・・・どこでも品切れらしいから・・・。
健夫 そうそう。
健三 それに、高いしな。
健夫 そうそう。俺の分は?
3人 沈黙
健夫 何で黙るんだよ。
健三 さ、寝るか?
琴美 そうね。
玲子 おやすみなさい。
琴美 おやすみ~
健三 健夫の肩を叩き
健三 おやすみ。
3人 立ち去る
健夫 完熟マンゴー!!!