次の日の午前中 10時
玲子 掃除をしていると 健三 入ってくる
玲子 お義父さん。どうですか?
健三 ああ、もう大丈夫だろう。
玲子 そうですか、良かった。
健三 でも、応急処置だからね。あとで、ちょこっと材料を買いに行ってくるよ。
玲子 何が原因だったんですか?
健三 雨樋を支えてる金具がね、錆びて外れてたんだよ。今は、それを外してビニール紐で仮留めしてある。
玲子 でも、そんな金具売ってるんですか?
健三 ホームセンターに行けば売ってるよ。
玲子 そうなんですか。もう、私、何処に修理頼めば良いんだろうって・・・。それしか頭にありませんでした。
健三 さすがにね、雨樋自体が劣化して割れたりしてたら、業者に頼んだ方が早いかな?って思うが、この程度なら自分でやった方が早いし、安く済む。
玲子 そういうもんなんですね。
健三 居間へ向かい新聞を読もうとする
玲子 お義父さん、朝ご飯食べなくて平気なんですか?
健三 怪訝そうに
健三 朝ご飯?
玲子 ええ。
健三 食べましたよ。
玲子 笑いながら
玲子 食べてませんよ、私まだ、お出ししてませんよ。
健三 食べましたって。
玲子 じゃあ、何食べました?
健三 何を食べたか?・・・・・何だったっけか?
玲子 ほら、やっぱり食べて無いじゃないですか?
健三 いや、何を食べたかを思い出せないのであって、食べたは食べたんだよ。
玲子 きっとゆうべ遅くにマンゴーを食べたものだから、そんな風に感じてるだけですよ。
健三 そうかなあ、食べたと思うんだけどなあ・・・。
健三 納得できないように首を傾げる