玲子 健三の様子を見ている
玲子 じゃあ、もうすぐお昼になりますから、お茶、煎れますね。
健三 ああ。
玲子 お茶の準備を始める
健三 無理矢理自分を納得させるが今度は、何かを探している
玲子 お茶を持って居間へと来て、健三の様子に気付く
玲子 どうされました?
健三 いや、眼鏡がね・・・。
玲子 眼鏡?また、無いんですか?
健三 ああ。
玲子 今日はお使いになられました?
健三 今日?ん・・・使ってないと思うが・・・。
玲子 寝室じゃありませんか?
健三 寝室・・・寝室か・・・。ちょっと、見てくるよ。
玲子 ええ。
健三 部屋を出る
玲子 掃除機を片づけ始める
健三 戻ってくる
健三 あった、あった。ほら昨日はみんなが寝静まるまで起きてなきゃいかんと思って、本読みながら待ってたんだ。
玲子 そんなにまでなさらなくても・・・。
健三 いやいや、こんなコトくらいしか日々の楽しみが無くてね。
玲子 それじゃ、私も定期的に何か買って来ないと・・・ですね。
健三 あ~ありがたいねえ。
玲子 でも、本当は、お義父さんが気付いてないだけで、もっと食べてるかもしれませんよ。
健三 そうなのか?
玲子 さあ?
玲子はぐらかしながら、自分の分のお茶と大福を持って居間へと来る
玲子 健三の前に大福を出す
健三 大福かい?
玲子 ええ。
健三 大福を一口食べ、すぐに吐き出す