健三 立ち上がりながら
健三 あ、今日は昼飯はいらないよ。
玲子 あら、何処かへ行かれるんですか?
健三 ああ、大工の源さんとランチに行こうって話になってるんだ。
玲子 源さんって、あのお寿司屋さんだった?
健三 ああ、消防団の源さん。
玲子 そうなんですか。・・・考えてみると、凄い経歴ですよね、あの方。
健三 ああ、少々節操がないがな・・・。
健三 寝室へと向かうが、すぐに戻ってくる
健三 あ~度々申し訳ないんだが・・・。
玲子 何ですか?
健三 帽子知らないですか?
玲子 帽子?
健三 ああ。
玲子 帽子?帽子・・・。帽子なんて持ってましたっけ?
健三 いつも被ってるヤツだよ。
玲子 いつも被ってる・・・?
健三 茶色でこんな形でこーなってる・・・。
健三 帽子の形状を手振りで説明する
玲子 ん~じゃあ、座布団の下とかになっちゃってるんじゃないでしょうか?
健三 座布団の下?まさか・・・。
健三 座布団を持ち上げてみると潰れた帽子が出てくる
健三 あった。・・・玲子さん凄いな。
玲子 昔から探し物は得意なんです。
健三 うん、納得。じゃあ、行ってくるかな。
玲子 お帰りは?
健三 多分、夜になるかな。
玲子 分かりました。
健三 じゃあ、いってきます。
健三 出て行く
玲子 はい、いってらっしゃい。
玲子 健三を見送り振り返る
玲子 ・・・あれ?私、何しようとしてたんだっけ?